女性のカラダ

乳がんの真実①「乳房再建」 ~乳がん経験者からのメッセージ~

乳がんの女性が増えています

1年間に9万人もの女性が乳がんにかかる時代です

有名人の乳がんの報道が相継いでいます。身近な人が乳がんにかかったという人も少なくないと思います。

乳がんにかかる人の数(罹患率)は毎年増えていて、今、乳がんは本当の意味で他人事ではない病気になっています。

2016年予測では、1年間で9万人の日本女性が乳がんにかかっているという数字が発表になり、これは8人に1人の日本女性が乳がんにかかっているということになります。


一方で5年生存率が8割を超えるなど、乳がんは生きられる病気になりました。働きながら治療をする人も少なくありません。

かくいう私も、乳がんの経験者(サバイバー)。乳がん発症から11年が経ち、元気で働いています。


がんでも生きて働くからこそ、ひとりひとりに合ったケアが求められています。今月は医師からは聞くことができない、体験者の視点からの乳がん実情をお伝えします。


がんになっても生きて働く時代になったからこそ知っておきたい

乳がんの女性

今、日本女性の乳がん罹患率は、がんの中でトップです。

8人に1人という数は、もともと乳がんの罹患率が高かった欧米と同じ比率(欧米並み)であることを意味します。

欧米では、60代70代80代と年齢が上がるごとに乳がんが増えていきます。でも、日本の特徴は40代、50代という元気な働き盛りの年代が最も多いという特徴があります。30代の女性の乳がんも増加傾向です。


なぜ若い年代に増えているのでしょうか――? 

子どもを産む数が減ったことと、食生活の欧米化の影響ではと言われていますが、明確な原因はわかっていません。


罹患率だけでなく、死亡率も右肩上がりです。いまだに乳がんの死亡率が下がらないのは、先進国で日本だけなのです。


悲観的な数字ばかりを示しましたが、一方で乳がんはがんの中で最も生存率が高く、生きられる病気です。

乳がんのうち超早期なら98%、全進行期の平均で見ても80%以上の人が生きています(5年生存率)。

それなのに死亡率が下がらないのは、本当の意味で早期発見、早期治療が進んでいないから、とも言えます。


自身の体験に根差して患者視点から、乳房再建、外見のケア、就労支援、医療費、検診の問題など、経験者だからこそ見える、乳がんの現状を紹介したいと思います。

まず始めに、乳房再建の現状から。


手術後に保険でもう一度乳房を取り戻せます

乳房再建

「失った乳房を取り戻してこそ、治療終了」という患者の声が社会を動かして、2014年から全ての乳房再建が保険適用になりました。


乳がん医療が進歩し、患者が生きて働く時代になり、人生や生活の質をあげるための治療を医療者側も当たり前に考える時代になっています。

乳房をキレイに手術したり、形を整えたりする心配りが治療の中に反映されるようになりつつあります。


乳房再建の進化は、そのシンボルです。

乳房再建をした患者さんのグループが全国の患者の署名を集め、乳房再建の保険適用に大きく貢献しました。


保険でインプラントによる乳房再建術が可能になったことから、乳房全摘を受ける女性が、乳房温存(乳房を一部残す)を選ぶ女性を、上回りつつあると言われています。

以前は、「乳房を残したい」と温存を選ぶ女性が多かったのですが、切除する範囲が広いと、乳房の整容性(形の美しさ)が保てないことも少なくありませんでした。


保険適用で実質的な負担は8万~10万円程度に

乳房再建の費用は

こういった状況の中、保険適用が後押しとなって、無理な温存で左右差のある乳房になるのなら、全摘してキレイに再建したいと考える女性が増えてきたのです。


乳房再建の医療費は、2006年から自家組織(自分のお腹や背中のお肉を使う)だけが保険適用でした。

その後、2014年から、シリコンインプラントによる乳房再建にも保険適用が拡大しました。

100万円以上だった治療費が、自家組織でもシリコンインプラントでも、保険での自己負担額は、約30万〜40万円に。高額療養費制度を使えば、さらに負担が軽減され、現在、実質的な負担額は8~10万円程度になります。


乳房再建の課題は、地域による医療格差です

画像の内容を文章で入れる

しかし、まだ課題はあります。

乳房再建は、地域による医療格差が大きく、地方では保険適用どころか乳房再建を望んでも行える施設が少ないのが現状です。

患者さんに、乳房再建の情報すら、行き渡っていません。


全摘して乳房再建をした経験者は、

「失った乳房を取り戻すことは、前向きに生きるために必要なことです。つらい治療を経験しましたが、胸があるから大丈夫と乗り越えられました。もちろん乳房のない人生の選択もあります。でも本人が望んだら、どこに住んでいても乳房を取り戻す(乳房再建の)選択ができるようになってほしいです。そのための活動を継続していきます!」

と話します。

1日も早く、失ったものを取り戻したいと願う女性の希望が叶うように願います。


●手術が受けられる医療機関の最新リストはここをチェック

日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会

●乳房再建手術の詳し情報をしたい人はここをチェック

E-BeC



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  • 増田 美加(女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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