女性のカラダ

性交痛はどう治療する?

ベッドで寄り添うカップル

性交時に痛みを感じ、排尿時にはヒリヒリしてつらい…

性交時に痛くて、つらい…、排尿時にはヒリヒリする…、自転車にも乗れないほど痛むことも…などと訴える女性たち。

更年期世代以降に多いですが、若くても起こることがあります。


性交痛は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの低下で起こる“腟の乾燥”が最も大きな原因です。さまざまな腟の乾燥による症状とともに、悩みが起こります。


原因の多くはエストロゲンの低下です

女性ホルモンのエストロゲンは、骨、心血管系、脳のほか、腟、尿道、膀胱の一部、皮膚、粘膜などにも重要な役割をもっています。

更年期障害、萎縮性腟炎、腹圧性尿失禁、過活動膀胱などによって起こる性交痛は、いずれも、エストロゲンの低下が大きな原因です。


エストロゲンの低下だけが原因ではないものに、シェーグレン症候群があります。シェーグレン症候群は、目や口の乾きの症状が顕著ですが、腟の乾燥も起こります。

シェーグレン症候群と診断されている人のなかにも、腟の乾燥症状をケアできず悩んでいる人も多いのが現状。シェーグレン症候群の治療は、リウマチ内科や膠原病の専門医ですが、腟の乾燥の治療は婦人科でもできますので、悩んだら婦人科に相談してみてください。


症状別チェックをしてみましょう

☑性交痛 +

目や口、腟が乾く、疲れやすいなど

シェーグレン症候群

50代に発症のピークがあり、圧倒的に女性に多い自己免疫疾患のひとつ。膠原病の関節リウマチなどと合併することも少なくありません。


☑性交痛 +

腟の乾燥、ほてり、多汗、不眠など

更年期障害

更年期にエストロゲンが激減することでさまざまな不調が起こります。特に閉経後、乾きの症状が顕著になることが多く、老年期まで続きます。


☑性交痛 +

腟の乾燥、不正出血、茶色っぽいおりものなど

萎縮性腟炎

別名、老人性腟炎。更年期以降、特に閉経後のエストロゲン減少が原因で、性交痛、ヒリヒリする痛みやかゆみなどの症状が特徴です。


☑性交痛 +

腟の乾燥、頻尿、尿もれ

腹圧性尿失禁、過活動膀胱

せきやくしゃみなどお腹に力が入ったときに漏れるのが腹圧性尿失禁です。急に強い尿意を感じ、トイレに間に合わない場合が、過活動膀胱です。


性交痛のクリニックでの治療は?

性交痛をケアするには、腟の乾燥を治療するために、局所(腟)に効くエストロゲン(ホルモン)剤の腟錠を腟に入れる方法があります。

エストロゲン剤の腟錠にはさまざまあり、症状に応じてエストロゲン含有量の多少を考慮して処方されます。


性交時の痛みだけでなく、性交時出血の症状がある人もいます。なかには萎縮性腟炎を起こしていて、腟の周りが真っ赤になる人も。

腟錠を週に2回ほど入れることで、2週間くらいで楽になり、その後、週1回程度、腟錠を入れることで、症状はずいぶん軽快する、という医師もいます。


腟の乾燥だけでなく、ほてり、のぼせなど更年期障害のさまざまな症状や、頻尿、尿もれなどの症状もある人には、全身に作用するホルモン補充療法(HRT)が効果的です。


更年期世代で、全身のホルモン補充療法で使うホルモン剤には錠剤、パッチ剤、ジェル剤などさまざまあります。ジェル剤は、症状に応じて量を加減できるので便利です。


また、腹圧性尿失禁や過活動膀胱の症状がつらいときには、骨盤底筋群を鍛える体操やそれぞれに効く薬がありますので、婦人科や女性泌尿器科の医師に相談するとよいでしょう。


乳がんの既往があったり、ホルモン剤を使いたくない人には、漢方薬で治療することもできます。

性交痛は、女性の問題だけでなくパートナーとの関係も影響します。パートナーと症状について話し合ったり、心理カウンセリングを受けることが有効なときもあります。


自分でできるケアもある

腟や外陰部の乾燥が気になる人は、ともすると洗い過ぎの傾向があります。


洗いすぎは、若い年代でも大事な常在菌を取り除いてしまいますので、腟や外陰部は石鹸でゴシゴシ洗わないようにしましょう。

特に更年期以降、エストロゲンが低下すると常在菌がいなくなり、バリア機能がなくなった状態になっているので、一層注意が必要です。


石鹸は使わず、デリケートゾーン専用の洗浄剤を使うといいでしょう。ぬるま湯でやさしく洗い流す程度で十分です。ビデも使い過ぎないようにします。


性交時の潤い不足に使うジェル剤やデリケートゾーンに潤いを与えるスキンケア剤なども販売されています。


また、補正下着などで締めつけるのも、粘膜や皮膚が乾燥している人はよくありません。コットン素材で締め付けない下着を選ぶようにしましょう。


▼著者:増田美加の人気コラム▼

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  • 増田 美加(女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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