
【デリケートゾーンの悩み】専門に治療するクリニックが増えてきています!
- 更新日:2020/03/05
- 公開日:2020/03/05
女性器の悩みは深く、さまざま…

デリケートゾーンとは、女性器(外陰部や腟も含めて)のことをさします。悩みを抱えていても、人に相談できにくい内容ですね。
今まで日本には、デリケートゾーンや性について話すこと自体をタブー視する風潮がありました。話題にあげるときは、小さな声でヒソヒソ…といった暗いイメージ…。デリケートゾーンや性について、悩みはあっても、相談できる場所がなかったというのが実情だと思います。
このデリケートゾーンの悩みは、年代を問わず多いことが徐々に明らかになってきました。でも、「今、なぜ?」
デリケートゾーンを診る診療科が増えつつあります

それは、デリケートゾーンを診る診療科が徐々に増えてきたこと、デリケートゾーン専用の外来ができつつあることからなのです。
どのような悩みが多いかといえば?
「形が…」「色が…」「大きさが…」と、見た目を気にする人が多く、デリケートな部分ほど、心の悩みにもつながっていきます。
20代の会社員の女性から70代の主婦まで、幅広い年代が悩みを抱えて診療科を受診しています。
女性のデリケートゾーンの悩みを具体的に見てみると、
「黒ずみが気になる…」
「腟がゆるんでいる気がする…」
「自転車に乗ったときや細身のパンツをはくと、挟まった感じがして痛みを感じる…」
「性行為のときに痛みを感じる…」
「尿もれパッドが手放せなくなった…」
「乾燥してかゆみを感じることが増えた」
などなど…。
女性ホルモンのエストロゲンが減ることで、さまざまな不調が出てきます。粘膜の乾燥や骨盤底筋群という腟周りの筋肉の緩みもそのひとつです。
乾燥するのは、肌だけではなく、粘膜も同じなのですね。そして、衰えるのは、体幹の筋肉だけではないのです…。
機能的にも美しくありたい…女性の気持ちに応えてくれる
デリケートゾーンを専門に治療するクリニックは、徐々に増えています。美容婦人科、婦人科、女性泌尿器科、美容皮膚科などで、女性器に対する美容婦人科治療が行われています。
「自らの女性器に対する悩みを抱える多くの患者さんがいる」と医師は言います。
出産後に腟が緩んでしまう人、その形自体に長い間コンプレックスを抱き続けてきた人、そんな女性たちの悩みに応えて、女性器を機能的に美しくする治療が行われています。
こんな女性器の診療が行われています

来院する女性は、“性交痛”の相談や“尿もれ”の悩みも多く、手術を希望する人も少なくないと言います。
クリニックでは、下記のような診療が行われています。
・腟縮小・腟トレ(出産や加齢で緩んでしまった腟を縮小する手術やトレーニングほか)
・不感症治療(腟縮小や筋力のトレーニングほか)
・小陰唇・大陰唇縮小術(たるみやしわ、大きさを縮小する手術ほか)
・小陰唇整形(小陰唇の形・左右差を整える手術ほか)
・デリケートゾーン黒ずみ解消(手術やケミカルピーリングほか)
などです。
性交痛や尿もれの治療も
性交痛は、更年期になると多くの女性が感じる悩みで、婦人科でホルモン補充療法など(保険診療)で治療しますが、美容婦人科では自由診療になりますが、炭酸ガスレーザーなどの治療も行われています。
炭酸ガスレーザーは、照射部分のコラーゲン生成を促進し、また炭酸ガスによる血流の改善効果で、腟全体を若返らせ、弾力と潤いがアップ。また、尿もれにも効果があると言われています。
また、尿もれの悩みは、婦人科や女性泌尿器科で、ホルモン補充療法や骨盤底筋群を鍛える体操などを行っています。
さらに、磁気による骨盤底筋群の筋肉トレーニングマシーンによる治療もあります。磁気の力で、筋肉を強制的に運動させ、骨盤底筋群周りの筋肉を鍛える方法です。服を着たまま椅子に座っているだけで、痛みもありません。
骨盤底筋群のトレーニングマシーンは1~2週間ごとの通院で、3〜5回目くらいで効果を実感する人が多い治療と言われています。
将来、介護を受けるときに恥ずかしい…という動機も

小陰唇縮小術を受ける動機は、
「将来、介護を受けるときに小陰唇が大きいと恥ずかしい」
「自転車に乗ったときやジーンズを履くと痛みを感じる」
「立った状態を正面から見たとき、小陰唇がはみでているのが気になる」
という理由から。
また、デリケートゾーンの黒ずみも小陰唇が大きいことで起こることがあり、小陰唇縮小術で黒ずみ部分を切除する治療も選択される場合があります。
小陰唇縮小術は、メス、ラジオナイフ(高周波メス)を使用し、傷をきれいに、かつ出血を最小限に抑える。切開方法は、ヒダの形や厚さによってそれぞれ変えることが可能で、術後の傷跡はほぼ残らないと言います。日帰りで当日からシャワー可能。
料金は、自由診療なのでクリニックによって異なりますが、ある美容婦人科では両側28万円、片側16万円程度。
このように、デリケートゾーンの悩みに幅広く応えるクリニックが徐々に増えつつあります。人には言いにくい悩みがある日本女性にとって心強いですね。
▼著者:増田美加の人気コラム▼
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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