『乳がんにかかりやすい人』がいるって知ってた?20代・30代の乳がん講座

  • 更新日:2020/04/20

若年性乳がん、どんな人が注意すべき?

小林麻央さんの勇気あるブログ、感動ですね。

20代、30代の若い世代の乳がんのことを報道などで耳にすることが増えました。「気になる…」という問い合わせが私のもとにも増えています。

「どんな人が注意すべき?」「どんな検査でわかるの?」「授乳中は気づきにくいって本当?」「かかってしまったときの治療法は?」などなど。

今月は、気になる若年性乳がんについて、お知らせします。


20代、30代の若年性乳がん、実は多くないのです

医学的に「若年性乳がん」とは、34歳以下の乳がんのことです。

今、日本で乳がんは、最も罹患者が多いがんで、罹患者数、死亡者数も増加し続けています。

けれども、若年性乳がんは、40代、50代の乳がんとくらべて、決して多くはないのです。

とはいえ、若年性乳がんはよく知られていないことから、「どんな人がかかりやすく、何に注意すべき?」など不安に思う人が多いのも事実ですね。


調べてみると、34歳以下の若年性乳がんは、乳がん全体の1割未満しかありません。

そして、若年性乳がんは、「どちらか片側の乳房の乳がんで、血縁にがんの人がいて、肥満の影響はない」という特徴があります。


若年性乳がんにどんな特徴があるのでしょうか?

34歳以下の乳がんは、BMIが18以下でやせ型の人ほうがかかりやすく、逆に35歳以上になるとBMI25以上で太り気味(肥満)の人がかかりやすくなります。とはいえ、若い人は、あくまで肥満の影響を受けにくいというだけで、太った人がかからないというわけではありません。


また、両方の乳房に乳がんが発症するケースは少なく、どちらか片側の乳房だけに発症する、という人が多い傾向にあります。

さらに、血縁(近い親族)に乳がん患者さんがいれば、発症する確率が高くなると考えられています。


血縁のがんでリスクが高まるのは? 本人が乳がんを発症していない場合、一方の家系で2人以上、乳がん、上皮性卵巣がん、卵管がん、腹膜がんに罹患している。1度(両親、子ども、きょうだい)、もしくは2度近親者(祖父母、孫、おじ、おば、、めい、おい)が若年性乳がんに罹患している。男性乳がんに罹患している人がいる。一方の家系で、乳がん+ほかのがんが複数ある場合です。


自分で触って気づく場合が多いのも特徴です

若いうちは、国によって決められた乳がん検診が行われていません。そのため34歳未満の女性は、検診で発見されるケースは少なく、多くは自分で触ってわかることが多い傾向にあります。

たとえば、入浴時に体を洗っているときや入浴後にクリームを塗っているとき、ブラジャーを着けるときなども、発見しやすいタイミングです。


しこりの大きさは自分で見つけるため大き目です

34歳以下の女性は、国の乳がん検診が行われていないため、しこりが大きくなってから気づき、乳がんが進んだ状態で発見されることが多くなっています。

発見時のしこりの大きさの平均は、34歳以下が2.9㎝、35歳以上が2.4㎝です。どの年齢も乳がんの発生場所として多いのは、乳房の上の外側です。


若年性乳がんの人は遺伝が多い?

若い年齢で乳がんを発症したら、遺伝性の可能性があります。

若年性乳がんは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とかかわっています。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんがHBOCを告白したことでも有名ですね。

HBOCとは、BRCA1、2の遺伝子の変異が原因で、乳がんや卵巣がんを高い確率で発症する遺伝性腫瘍です。

ただし、HBOCは乳がん、卵巣がん全体の約1割以下です。遺伝性でないがんのほうが多いのです。


遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が疑われる人は?

母方、父方それぞれの家系(血縁)で、以下のチェック項目に、あなた自身を含め、該当する人がいますか?


□ 40歳未満で乳がんを発症した方がいますか?

□ 年齢を問わず、卵巣がん(卵管がん・腹膜がん含む)の方がいますか?

□すい臓がんや前立腺がんの方がいますか?

□ 血縁者の中でひとりの方が時期を問わず、乳がんを2 箇所以上発症したことがありますか?

□ 男性の方で乳がんを発症した方がいますか?

□ 血縁者の中で本人を含めて、乳がんを発症した方が3 人以上いますか?

□ トリプルネガティブの乳がん(エスロゲン受容体をもっておらず、HER2発現がないタイプ)といわれた方がいますか?

□ 血縁者にBRCAの遺伝子変異が確認された方がいますか?


上の質問にひとつでも当てはまれば、HBOCである可能性は一般よりも高いと考えられます。心配な人は、乳がん専門病院で行われている遺伝カウンセリングで相談してください。


血縁に乳がんや卵巣がんの患者さんがいる人は一度、乳腺科へ

34歳以下で発症する若年性乳がんには、どのような特徴があるのでしょうか? 

今回、紹介したように、若いうちはがん検診を受ける機会がないため、自分でしこりを見つけることが多く、若年性乳がんと診断されたときは、進んだ状態で進行も早いことが多いと言われています。

とは言っても、過剰に心配する必要はありません。34歳以下で乳がんになる人は非常に少ないからです。


若年性乳がんに、特に気をつけたい人は、血縁に乳がんや卵巣がんの人がいらっしゃる場合です。

気になる方は、乳腺専門のクリニックを受診してください。ひとりひとりの状態に合った検査をしてくれます。


若年性乳がんについての詳しい情報は、「厚生労働省 若年乳がん患者のサバイバーシップ支援プログラム」のWEB「厚生労働省 若年乳がん患者のサバイバーシップ支援プログラム」が参考になります。若年性乳がんの患者会ともリンクされています。

また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)については、「日本HBOCコンソーシアム」を参考にしてください。


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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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