女性のカラダ

いつまで頑張ろう…高齢妊活の止め時とは?

医療ジャーナリストの増田美加先生のフッター

35歳以上でいつやめたらいいのか…悩む人が約半数も

日本の不妊治療は、世界でも際立って高年齢化が進んでいます。40歳以上の不妊治療が3割と言われています。


NHKの調査では、35歳以上で不妊治療を続けている1,400人のうち、半数近くが「不妊治療をいつやめたらいいかわからない」と答えているそうです。

一方、医療機関の8割以上は、「妊娠する可能性が極めて低いとわかっていても、患者が希望するかぎり治療を続ける」と答えていました。

治療の長期化の背景には、一部の医療機関の利益を優先する姿勢もあると言われているのです。


出産率7%に賭けるかどうか…

ある女性がこれまでに受けた体外受精の回数は23回。1回あたりの費用は、約30万円から50万円。治療費の負担が大きすぎるという現状もあります。


40代で不妊治療を続けている女性は、1年間に支払った治療費は約300万円。これまでの合計は、1,000万円にのぼるケースもあります。


しかしながら、都内の不妊治療専門施設でかなり成績のいいクリニックでも、40歳以上で不妊治療をしても出産できる確率は、わずか約7%しかありません。体外受精、顕微授精などの高度不妊治療を行った35歳~39歳は、約25%の出産率です。


確率は7%でもそれにかけて治療するのは、その人の考え方で否定するものではありません。

でも「不妊治療のやめどき」を考えるときには、客観的な数字は参考にすべきだと思います。


不妊治療で大事な5つのポイント

今の日本で後悔しない最良の医療を受けるためには、患者である私たち自身の力=“患者力”が大切だと、つくづく思います。


不妊の検査や治療でも、例外ではありません。私が考える“患者力”として特に大事だと思うことは、5つです。


① 自分の意思や希望を医師にはっきりと伝える

② 医師と向き合う前に、病気の「知識」を得る

③ 検査や治療過程のどこにいるか、自分のポジションを把握する

④ 治療の疑問、不安は医師や病院のスタッフに直接聞く

⑤ 「どうしても」のときには、病院や医師を変える勇気を持つ

 

 このような患者力の必要性を実感した相談がありました。

今回は、そのうちのひとつをご紹介します。


自分の希望を伝えることが大切

34歳のKさんは、赤ちゃんが欲しいけれど、不妊治療は踏み切れずにいました。

まず「異常がないかどうか。産める体かどうかを知るために婦人科検診を受けよう」と、クリニックを受診。

問診表に「将来、妊娠希望」と書いたことから、不妊症の検査を受けることになったのです…。


「検査だけならしておいたほうが…」と思ったKさん。不妊症の検査は、「生理の何サイクルかの期間、通院しなければならないこと」「性交後チェック」「夫の精子検査」「卵管造影検査」などが含まれていることを、あとから知りました。


数か月後、排卵誘発剤をすすめられて行うことにします。なんとなく治療の第一歩を踏み出すことになってしまったのです。

 約3年、排卵誘発剤の治療を継続していましたが、排卵誘発剤の副作用が出て、初めて医師に相談。38歳で治療を中止します。


 結局、治療するのか、しないのか、曖昧なまま排卵誘発剤の治療だけを漫然と継続して時間が過ぎてしまいました。


医師に自己主張しましょう

 検査や治療の知識を持つことも、もちろん大切ですが、「自分の意思や希望を医療者側に伝えること」は、妊娠・出産に関しては特に重要です。

自分や夫のライフスタイルや人生設計、すべてにかかわってくることで、こちらが伝えないと医師に理解されないことが多いのです。


「妊娠できる体かどうか、病気が隠れていないかを知りたいだけで治療は希望していない」のか…

「検査をして、すぐに治療を開始したい」のか…

「治療をしたい気持ちはあるが、体外受精や顕微授精という高度生殖医療(ART)まではまだ考えられない」のか…

自分の気持ちを率直に医師に伝えて、自己主張して、そのうえで専門家である医師の意見やアドバイスを聞くことがとても重要です。


 治療のやめどきも、夫であるパートナーと将来の人生を十分話し合って、自分たちで自己主張して決めていくことが大切なのだと思います。

  • 増田 美加(女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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