花粉症① 漢方でケア。大量飛散する前に今すぐ飲み始めるのがポイント
- 更新日:2016/05/19
- 公開日:2016/02/14

今年こそ治っているのでは…と花粉症の薬を我慢していませんか?
花粉症の人にはつらい季節がやってきました。
日本気象協会によると、昨年の春の花粉飛散数は西日本を中心に少なく、東北で多くなっています。今年の春の花粉飛散数は、九州から関東甲信にかけて昨年の春と同じ、あるいは上回る見込みです。
悩ましい季節です…薬は最小限に、症状は最大限に抑えたいもの。その方法を御紹介します。
我慢すると、かえって薬の量が増えます
「今年こそもしかしたら治っているかも…」と淡い期待を抱き、薬を飲まずギリギリまで我慢している…という人が私の周りにもいます。
でも残念ながら、花粉症をはじめ、アレルギーの病気は、発症すると治療しない限り、放っておいて治ることはありません。
私は、花粉症歴20年以上のベテラン。あらゆる方法を試し、最善の治療法を実践。数年前から症状の封じ込めに成功しています! 治療を続ければ、ほとんど治ったと言える状態でいられるのです。
そのポイントは、花粉が本格的に飛び始める前から薬を飲み始めることです。これは西洋薬でも漢方薬でも同じ。
花粉が大量に飛散して、クシャミ、鼻水、目のかゆみなど…の症状が“出始める前”に対処する、ということです。
「薬はできるだけ飲みたくない」「薬はギリギリまで我慢して、どうしようもなくなったら飲む」という気持ちはよくわかりますが、それは間違いです。症状が出る前から飲み始めれば、薬は少量で、あるいは弱い薬で効きます。
症状がひどくなると、少量では薬が効かなくなり、よりたくさんの量の薬やより強い薬を飲むことになり、かえって逆効果です。
漢方での上手な対処法をご紹介します
ということで、今すぐ飲み始めれば、今年の花粉症対策に間に合いますので、早めの対処をおすすめします。
漢方薬は、花粉症の症状を抑えるものがありますが、西洋薬ほどは強い症状に効果がありません。早めの対処で効果を発揮できる薬です。
漢方では、不調などの症状は“気、血、水”のバランスの崩れで起こると考えます。その原因は、冷えだったり、熱のこもり過ぎであったりさまざまです。
漢方薬で、花粉症やアレルギー性鼻炎に最も用いられるのは、「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」。
眠くなる成分は入っていないので、運転や危険な作業をする場合でも服用できます。水が溜まり過ぎた“水毒(すいどく)”の冷えを改善する処方です。
私はこの「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」を飲んでいます。今はまだ症状は出ていませんが、今週から毎朝1包ずつ飲み始めました。大量飛散の時期が来て、症状が出始めたときは、朝晩1包ずつにする予定です。口が渇く、眠くなるなどの副作用は全くなく、それでほとんど症状を封じ込めることができています。
その人の体質(証)によって、効く漢方薬が異なります。
手足に冷えがある場合などは、「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」を使います。熱がこもるタイプの人には、「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」を使います。
どの漢方薬がいいかは、医師に相談して処方してもらってください。健康保険が使えます。
漢方薬の処方例のまとめ
●体力は中等度、またはやや虚弱で、水っぽい鼻水やたんをともなうせきには → 「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」
●体力が中等度で、熱がこもり鼻水が詰まるタイプに → 「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」
●体力が中等度で、目のかゆみが強い場合 → 「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」
●風邪のひき始め、鼻かぜや鼻炎に → 「葛根湯(かっこんとう)」
●体力が中等度で、手足の冷え、悪寒がある人の風邪や、アレルギー性鼻炎に → 「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」
花粉症② 症状がひどくなってしまった人へ
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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