
ひと月の予定がわかると妊娠力UP
基礎体温は、とてもたくさんの情報をもっていて、女性にとっては役立つものばかり。たとえば、「そろそろ生理が来るなあ」とか、「今月の排卵はいつごろかな」とか、「体調がいいのはこのあたりだなあ」とか、逆に「体調が悪くなりやすいのは、このあたりだわ」と、体の変化がわかるので、ひと月の予定がたてやすくなります。
もちろん、体調だけなく、メンタルや肌の調子も予測できます。そして、妊娠力も!
体、心、肌リズムとリンク

女性の体、心、肌のリズムは、生理の周期とリンクしています。
ひと月の中で、私たちの体がこんなに変化しているなんて、「頑張っているなあ」と、なんだか自分がいとおしくなりますね。
女性のひと月は、だいたい5つの時期にわけられます。それぞれの時期の特徴を知っておくと、快適に過ごす方法がわかりますから、妊娠力アップに役立ちます。
「生理期」
生理中は、代謝が悪くなり、免疫力が低下しがちです。体はつらく、心は憂うつ。貧血や生理痛がある場合も。でも生理の後半は、少しずつエストロゲンがアップしますので、心も体も楽になってきます。
「卵胞期」
生理後は、1か月で一番安定しているハッピーな時期。体調も良く元気いっぱい、心もごきげん、お肌もきれい。 代謝もいいのでダイエットの効果が出やすい時期です。
「排卵期」
卵巣から、卵が飛び出すのが排卵。排卵の前後は妊娠しやすいとき。妊活中の人はチャンスをもちましょう。おなかがチクッと痛くなる、腰が重くなるなど、排卵痛が起こるときもあります。
「排卵期〜黄体期」
排卵後は、体も心も穏やかでニュートラルな状態。もうすぐやってくるPMS期に備えて、少しずつペースダウンすることが大切です。
「黄体期」(PMS期)
生理前の時期は、体も心もお肌も不安定。 むくみ、体重増加、吹き出物、イライラ、落ち込みなど、生理前の不調が起こるPMS(月経前症候群)の時期です。
私は今、どの時期にいるの?
基礎体温を測って、自分の生理周期のリズムを知っておくと、旅行やデート、勉強や仕事の1ヶ月の予定も立てやすくなります。もちろん、妊娠力もアップします。
測った基礎体温は「基礎体温表」に記入しておくと、「去年の今ごろ、体調はどうだったかしら?」と振り返って、今月の計画を立てられます。病院を受診したときや、検診に行く時期を書き込んでおくのにも便利です。
体と心、肌リズムはこんなに変わる!

ひと月の中で、体と心、肌リズムが好調なのは、生理後の卵胞期。
体調がよく、元気に過ごせる時期。勉強や仕事、旅行や出張の予定も上手にこなせます。
また、心も安定。 ハッピーな気持ちで過ごせます。お肌も髪も、ツヤツヤでメイクもバッチリ。
自分の体調にあわせて、無理なく予定を組むことが、ひと月の安定にもつながり、不調を少なくします。このことが、妊娠力アップにつながるコツです。
一方、「PMS期」は、体も心も肌も不安定。予定は少なめにリラックスして過ごしましょう。
低用量ピルも活用して

パートナーがいて、今すぐの妊娠を望まない女性には、生理痛とトラブル対策に、低用量ピル(OC)を服用することで、排卵を抑えて避妊することができます。
低用量ピルは妊娠力アップにもつながります。
生理痛が改善され、生理サイクルが規則的になります。毎月決まった時期に出血(生理)が起こるのが、女性にとってとても便利。
仕事や出張、旅行の予定によって、出血(生理)の時期をずらすなど、自分で生理周期をコントロールすることも可能です。
出血量が減るというメリットも! また、吹き出物が改善するという利点もあります。
低用量ピルを服用しているときは、基礎体温は低温期(体温が低い時期)より少し高めの体温で、一定になります。高温期や低温期のような変化は起こりません。
基礎体温はおおらかに測りましょう
基礎体温は、朝、目を覚ましてすぐ動かずに測るのがベスト。
朝、トイレに起きてしまったくらいなら、約30分安静にしてから測れば大丈夫です。朝どうしても測れない人は、夜測っても。その場合は、だいたい毎晩同じ時間に、30分安静にしてから測ってくださいね。
同じ時間に測れなかったら、測った時間をメモしておきます。神経質にならず、おおらかな気持ちで測りましょう。
何日か忘れて、間があいてしまっても、やめずにとにかく続けることのほうが大事です。
▼著者:増田美加さんの人気コラム▼
・生理時の出血、多い?少ない?これって病気ですか?・妊娠していないのに生理が遅れる原因は?
・生理痛で片づけないで!生理痛に潜む病気とは?
・生理不順は、不妊症につながる?
・妊活コラム「治療すべき生理不順とそうでない生理不順がある?」
-
-
増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。