妊婦と胎児にまつわるウソ・ホント part4
- 更新日:2013/11/28
- 公開日:2013/11/28
「○○すると流産や早産の原因になる!」なんて聞くと日常生活も不安でいっぱい。何が正しくて間違っているのか、正しい情報を!
◆感染症が原因で早産になる
「『感染症』とは、インフルエンザなどのウィルス、またはクラミジアなどの性病に感染すること。膣内からの感染で子宮内にバイ菌が入り、陣痛が起こってしまうことがあります。子宮内に感染が広がってしまった場合は、早産の時期でも赤ちゃんを早く出してあげることが優先されることもあります」by三井先生
◆妊娠中に(上の子に)授乳を続けていると流産する確立があがる
「授乳に働くプロラクチンというホルモンには、子宮を収縮させる作用があります。妊娠が判明したら、赤ちゃんがいる子宮を守るためにも、卒乳するようにしてください」by三井先生
◆出血しても、痛みがなければ特に心配する必要はない
「出血が少量でもある場合は安静にして様子を見ることもありますが、生理のような出血であったり、赤ちゃんの動きが少ないなど、なにかしら症状がある場合は、必ず担当医に連絡して指示を受けてください」by 三井先生
◆切迫流産の際、仕事を休むための医師の申請書は、 お金がかかる
「指定された書類を医師が書く場合にはお金がかかります。金額は病院へ問い合わせたりHPで調べて。その場ですぐに貰えないケースもあるので早めに伝えましょう」by 三井先生
◆切迫流産は流産ではないの?
「『流産』という名前がついているため誤解されがちですが、流産した状態をさすのではなく、『流産になりそう、または流産になりかけている状態』のことをいいます」by三井先生
・流産:自然流産は10 〜15%ともいわれるほど発生率は意外と高め。年齢を重ねるとともに発生頻度は高まります。
・切迫流産:安静にして治療を受ければ、元の状態に戻る可能性も十分あります。担当医の指示に従って安静に過ごしましょう。
・早産:妊娠22週〜37週未満の出産のことを早産といいます。下腹部に痛みや少量の出血などの症状があらわれます。
・切迫早産:早産の危険が高い状態のこと。破水していない場合は、安静にして妊娠を継続させ、おなかの中で胎児の成長を待ちます。
◆一度流産すると繰り返しやすい
「流産の原因がなんであったかによります。偶然に起こったことなら繰り返す可能性は低いのですが、流産しやすい不育症である場合は繰り返してしまうこともあります。ただし、治療可能です」by 三井先生
◆早期流産はベビー側に問題があることが多い
「早期流産とは妊娠12週未満、後期流産とは妊娠12週以降からのこと。早期流産は、染色体異常など胎児側に問題があることが多いので、自分を責めずに乗り越えて」by 三井先生
◆長時間の立ち仕事は早産を引き起こしやすくなる
「小マメに休憩を入れて、体を休めるように気をつけていれば、『長時間の立ち仕事=早産率が高まる』ということはありません。ただしなにごとも無理は禁物です」by 三井先生
◆妊娠中の喫煙や過激なダイエットで早産になる可能性もある
「喫煙はへその緒の中にある血管を縮めてしまい、赤ちゃんの首をしめているような状態に。過激なダイエットも赤ちゃんへの栄養を不足させます。これらが原因となり、子宮自体も陣痛が起こりやすい状態になることも分かっています」by三井先生
★補足★
年々流産や早産は増加傾向にある!
増加の原因は、晩婚化による高齢出産や、不妊治療による多胎妊娠(双子など)などと考えられています。また、妊娠中の喫煙や過激なダイエットによる激やせなども原因に。
★私たちが答えました ★
国立成育医療研究センター 周産期センター
三井真理先生
日本大学大学院医学研究科博士課程卒業。 現在は不育診療科医長として国立成育医療研究センター周産期センターに勤務。一児の母であり著書に『アラフォー安産』(経済界新書)。
Be born助産院 院長 助産師・鍼灸師・看護師
たつのゆりこ先生
北里大学病院、山西助産院など大学病院から助産院、自宅出産介助まで幅広い業務経験を持つ。 Be born助産院では、お産の介助、出産前後の女性の心身のケアを行っている。
管理栄養士 国際薬膳師
岡本正子先生
三児の母でありながら栄養士専門学校に入学、40歳で栄養士に。現在は東京都国分寺市の矢島助産院にて栄養士として勤務。 著書に『自然なお産献立ブック』(自然食通信社)など。
コンテンツ提供元 『赤すぐ・妊すぐ』
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