骨粗しょう症

更年期以降、増える骨粗しょう症。骨をどう維持するかで、残りの人生が大きく変わります!

  • 更新日:2020/11/01

 骨粗しょう症は、更年期世代の50歳前後から増えてきて、日本女性では50代後半の2割弱が骨粗しょう症と言われています。さらに、60代後半になると、なんと半数近くの人が骨粗しょう症なのです。女性ホルモンのエストロゲンがなくなることで、骨量が減ってきます。骨粗しょう症になると、将来、寝たきりになることも考えられます。人生100年時代、人生の後半戦を充実して生きるためには、骨対策が重要です。


骨がもろくなり骨折しやすくなります

骨折

 骨は、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞という3つの細胞でつくられていて、その主な成分はカルシウムです。

骨の細胞は、古い骨を壊して、新しい骨をつくるという代謝を繰り返して、バランスを保ちながら、骨を維持しています。


 ところが、更年期以降、年齢を重ねるほど、骨を壊す細胞の働きのほうが強くなり、骨量(骨密度)が減少してきます。

 その結果、骨の質が低下して、もろくなり、骨折しやすくなるのが、骨粗しょう症です。


骨粗しょう症は、初期のうちは、自覚症状はありません。

 ある程度進行してから、最初に現れるのは、胸椎と腰椎の症状です。慢性的な背中の痛み、あるいは腰痛に悩まされたりします。

 さらに進むと、背中や腰が曲がって、身長が縮んだりします。そのうち、骨折しないような軽い力が加わっただけで、骨折を起こしやすくなってしまいます。


 特に背骨は、圧力がかかりやすいため、ちょっとしたことで圧迫骨折を起こします。転んで、手首や、ももの付け根の大腿骨を骨折することも多くあります。大腿骨を骨折してしまうと、寝たきりにつながる可能性があります。


エストロゲンがほぼゼロになることで骨量が低下

 女性ホルモンのエストロゲンには、骨量を維持する働きがあります。閉経後、エストロゲンの分泌が減って、ほぼゼロになると、骨代謝のバランスが崩れて、急激に骨量が減少するのです。


 ですから、閉経後に発症する率が高いのです。

 原因は、カルシウムやビタミンDの摂取不足、運動不足、それに、若いころの過剰なダイエットなどが骨粗しょう症の問題としてあげられています。

 

 骨のためには、若いときの過激なダイエットはもちろん、更年期で太ってきたからといって、栄養バランスを考えないダイエットをすると、更年期は骨量が減り、骨粗しょう症に直結するので注意が必要です。


閉経後の骨粗しょう症チェック

チェック

 閉経後の女性が対象のチェックです。1~10までに2項目、あるいは7~10までに1項目、該当する項目があれば、骨粗しょう症の可能性が大です。その場合は、受診をしてください。


1 小柄で、やせ型で細身

2 若いころに、無理なダイエットをしたことがある

3 子どものころから偏食である

4 牛乳や乳製品はあまり摂らない

5 体を動かすことが少ない

6 お酒をよく飲み、喫煙もする

7 家族に骨粗しょう症と診断された人がいる

8 胃を切除している

9 両側の卵巣を閉経前に切除している

10 ステロイド剤を長期間服用していた


カルシウムだけではダメ、運動が大切

 予防や進行を防止するためには、カルシウムやビタミンDを含んだ食事をとることが大切です。それに適度な運動も欠かせません。

 食品から摂ったカルシウムは、そのまま骨になることはなく、運動で骨に負荷をかけることで、はじめて骨の定着度が増すのです。

 また、日光に当たることで、皮下でビタミンDが合成されます。ですから、外で運動をすることは、一石二鳥の効果があるわけです。


更年期になったら定期的に骨量検査を

骨量検査

 骨粗しょう症の症状が進んでしまっている場合には、食事や運動だけでは足りません。


 骨折を防止するためにも、クリニックでの骨粗しょう症の治療としては、ホルモン補充療法(HRT)や、骨を壊す働きをする破骨細胞の活動を抑える骨粗しょう症薬のビスホスフォネート、ビタミンDなどが処方されます。


 しかし、薬だけに頼りすぎず、日常生活のケアが大事。バランスのよい骨に着目した食事や適度な運動を心がけましょう。


 一度、骨粗しょう症になってしまうと、元に戻ることができません。更年期になったら、定期的に骨量(骨密度)測定の検査を受けて、自分の骨の状態を知っておくことが予防につながります。


 運動は、体重の衝撃を与えるような軽いジャンプ(エアロビ、縄跳び、ジョギング)などの飛躍系の運動が効果的です。水泳は、有酸素運動としてはいいですが、体重の負担を少なくするため、骨量を増やすためには向きません。

 また、筋肉をつけると、骨を支えて、転びにくくなりますので、筋トレは大切です。


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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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