妊活の正しい知識

妊娠菌って?自然派志向がいい?【妊活の正しい知識を見極める方法】

  • 更新日:2020/10/14

今の時代、ネットでいくらでも不妊治療や妊活の情報を検索することができます。家にいながらにして知識をつけたり、同じ境遇の人に相談できたりするなんて、便利な時代になりましたよね。


でも、ネットや知人から得た情報は、必ずしもすべてが医学的に正しい情報だとは限りません。産婦人科専門医の木下孝一先生は、「情報過多な現代だからこそ、正しい知識をもとに最適な治療を選ぶことが重要だ」と指摘しています。


今回は、木下先生著『夫婦で始める妊活読本』を参考に、妊活情報の見極め方について解説していきます。


ネットの情報はエビデンスをチェック!

ネット上の情報は玉石混交です。情報を鵜呑みにする前に、「この情報のエビデンスはどこにあるのか」を考えましょう。医学的根拠や出典がきちんと明記されていない情報については、盲信しないでおくのが吉です。


妊活中の方のなかには、同じ境遇の女性のブログに勇気付けられたとか、不妊治療中の方のSNSを参考にしている、という方もいらっしゃるでしょう。同じ境遇の人同士で情報交換できることは心強いことです。しかし、その人が「〇〇を試して、妊娠できた」としても、〇〇が本当に医学的に効果的なのかは、その証言だけではわかりません。その方の体験談として聞くことにまったく問題はありませんが、同時に、「エビデンスはあるかな?」と冷静に判断することも大切です。


たとえば、かつて「妊娠菌つきのお米」が一合500円でフリマアプリにて販売されていたことがありました。人気商品だったそうです。木下先生は、「妊娠菌という言葉すら聞いたことがないし、科学的根拠もありません」と言い切りつつも、「何かにすがりたい気持ちは痛いほどよくわかる」とも述べています。500円くらいでしたら、経済的損失も少ないですから、「妊娠菌つきのお米」を買ってしまったこと自体は、そこまで大きな問題ではない、という見方もあるかもしれません。


しかしなかには、「妊娠に効果がありそうなものなら、なんでも試してみたい」という女性の気持ちにつけ込んだ高額商品もありますから、あとから「騙された」と感じるケースもあります。


悔しい思いをしないためにも、参考にしようとしているその情報に科学的根拠はあるのか、をしっかり見極めながら、できる限り冷静に、出産というゴールを目指して行く必要があるのです。


「自然派志向」が妊娠率を下げる!?

自然派志向

日本には、根強い「自然派志向」があります。食材でも化粧品でも、「自然・ナチュラル・オーガニック」を好む人は多いですよね。妊娠に関しても同じで、自然に任せるのが一番、と考えてしまいがちです。しかし、木下先生は、この自然派志向が、皮肉なことに妊娠率を下げてしまうこともある、と述べています。


なかなか赤ちゃんを授からない場合、多くの人が体質改善のために体操を始めたり、生活習慣を変えてみたり、食事療法を実践したりします。そうやって試行錯誤しているうちに、年月が経ち、不妊治療を始める時期が遅れてしまう、というのです。


女性が「妊娠したい」と思ったとき、一番妊娠しやすいのはいつなのか? その答えは、ずばり人生で一番若い「今」です。私は仕事柄、不妊治療は結果がすべてだと考えています。常に100%の妊娠率を目指して治療を行なっていますが、残念ながら“すべての人が最先端の不妊治療を始めてすぐに、子どもをさずかるわけではない”というのが事実です。つまり、妊活は、時間との戦いといえます。こうしたなかで待望の赤ちゃんを授かるためには、できるだけ早くから自分の体をチェックし、必要であればなるべく早くから治療を選択肢に入れて、計画を立てていくことが大切です。(P.25-26)


世の中には、自然派志向や自然な出産を賛美する情報があふれています。しかし、医師の目から見ると、自然派思考に拘り治療を最終手段と捉えてしまうことで、妊娠・出産が遠ざかってしまうことも、また事実なのです。


子どもができない理由には、さまざまな原因が考えられます。確かに神様の采配もあるかもしれませんが、原因がわかったことで治療をし、出産に至るケースは数多くあります。特に現在は、医療も脅威のスピードで進歩する時代です。選択肢が数多くあるなかで「自然に任せて、ほかは選ばない」と決めてしまうのではなく、自分たちは今どんな状態なのか、世の中にはどんな治療法があるのかを知ったうえで、取捨選択することをおすすめします。(P.27-28)


「治療してまで、妊娠・出産は望んでいない」という方でも、自分たちの状態を知るために検査を受けてみるのもいいでしょう。自分たちの状態を知ったあとで、不妊治療をするかしないかを決めても、決して遅くはありません。


さいごに。正しい知識をもとに、最適な治療を選ぶことが大切

不妊治療

本書では、「聞こえの良い噂話やスピリチュアルな情報を心のよりどころにするのも否定はしませんが、それは確かな結果を求める医療ではない、ということを理解する必要がある」と繰り返し主張されています。


妊娠・出産の確率を確実に上げたいのならば、情報の洪水に流されることなく、「エビデンスはあるか・医学的根拠はあるか」を冷静に判断する必要がありそうです。


今回ご紹介した本

『夫婦で始める妊活読本』

著者:木下孝一

出版社:幻冬舎


▼「妊活」についてどれくらい知っていますか?

・【妊活】もう一度、不妊について知る基礎知識


・【妊活】卵巣力をあげる!日常生活でできることって?


・30代ではじめる妊活。「手っ取り早く不妊治療しよう」はNG?


・「妊活したい」。パートナーへのベストな伝え方と始め方


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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