女性のうつ

女性が「うつ」になりやすい3つの時期&対策

  • 更新日:2020/11/17

メンタルクリニックの院長・野田順子先生の著作『新版 女性のうつ病』によると、女性の4人〜10人にひとりは、一生涯に1回はうつ病にかかるそうです。この確率は、男性の約2倍にあたります。


なぜ、女性は男性よりもうつ病になりやすいのでしょうか? 今回は、その理由と対策を、本書を参考に解説していきます。


うつ病が女性に多いふたつの理由

野田先生によると、うつ病が女性に多い理由は主にふたつあるといいます。


うつ病が女性に多い理由1 女性ホルモンの変動

ひとつ目の理由は、女性ホルモンの変動です。


女性ホルモンのエストロゲンは神経伝達物質のセロトニンを介して感情の調節にかかわっていると考えられています。エストロゲン以外にもホルモンはストレスと関係の深いことが知られており、ホルモン変動があると、ストレスに対する抵抗力が低下するといわれています。(P.26)


女性は一生涯を通じて、エストロゲン分泌の大変動を経験します。そういったホルモンの変動がうつ状態を引き起こすひとつの原因になると考えられるのです。


うつ病が女性に多い理由2 ストレスを受けやすく、解消しにくい

ふたつ目の理由は、女性特有のストレスです。


結婚して姓を変更するのも女性がほとんどですし、夫の転勤に伴って妻が夫の新しい勤務地に同行することはごくあたりまえに行われていることであっても、妻の転勤先に夫が同行することはめったに見られません。妥協や我慢を強いられるのは圧倒的に女性のほうなのです。外でお酒を飲んでストレスを発散させるということも、最近でこそ女性にも見られるようになりましたが、まだまだ男性にくらべて社会の目は女性に厳しいものがあります。ストレスがあっても、それを解消しにくい状況が女性のほうにおおきいわけです。(P.27)


野田先生はさらに、「子どもは母親が家庭で育てるもの」「女性は家を守るもの」「自分の親も夫の親も女性が介護するもの」といった社会的な役割を負わされることがストレスにつながっている、と指摘しています。


女性が「うつ」になりやすい3つの時期と取るべき対策は?

婦人科

最近の若い夫婦は、家事を分担する傾向があり、そこからは、女性にだけ求められる社会的役割が薄れてきていることが見て取れます。しかし、女性ホルモンの変動はいつの時代も避けられません。ここでは、ホルモンが原因でうつになりやすい時期と、対策について紹介していきます。


女性が「うつ」になりやすい時期1 月経開始前

月経の10日〜数日前に、イライラ、うつ状態、不安感などの症状があらわれることを月経前症候群(PMS)といいます。PMSは、月経が開始されると同時か、開始後2〜3日程度で症状はおさまります。ほとんどの場合は軽度ですが、なかには、仕事に差し障りが出るほど重篤な精神症状が起こる場合もあります。強い精神症状が1年以上続く場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあります。


★対策

ホルモン剤、漢方薬、抗不安薬、抗うつ薬などをつかうことで治療できますので、月経が始まれば治るのだからとがまんせず、早めに産婦人科や精神科で相談しましょう。(P.29)


女性が「うつ」になりやすい時期2 産後

妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンが大量に分泌されますが、出産により、それらは急激に減少します。このようなホルモンの大変動は、前述したように、ストレスに対する抵抗力を低下させます。ですから、産後に情緒が不安定になるのは、ある程度は仕方のないことなのです。


産後のうつは、時間の経過とともに軽くなり、自然と治ることが多いのですが、なかには本格的なうつ病(産後うつ病・発病のピークは産後2週間程度)となり、治療が必要になるケースもあります。


★対策

妻のできる対策としては、「ひとりで背負いこまないこと、完璧主義を捨てること、自治体などの支援制度を調べること、医療機関に相談すること」が挙げられます。夫は、「子育てに対して妻と同等の責任を負うこと、自殺のおそれがある場合は母子ふたりきりにしないこと」が重要です。


女性が「うつ」になりやすい時期3 更年期

更年期とは、閉経を挟んだ前後5年間くらいの時期、つまりだいたい45歳から55歳くらいまでの時期のことです。更年期には、エストロゲンの分泌が減少し、やがて停止するため、様々な症状(ホットフラッシュ、手足の冷え、しびれ、めまい、食欲不振、イライラ、不眠、気分の落ち込み、物事に対する興味の低下etc.)が引き起こされます。


★対策

更年期症状はHRT(引用者注:エストロゲンを補充するホルモン補充療法)や漢方薬などの治療法がありますから、つらいのをがまんせずに、産婦人科で相談してみましょう。産婦人科の治療で精神的な症状が改善しないときは、精神科で相談してみましょう。(P.37)


「ホルモン分泌の変動時期と対処法」を知っておくだけでも、ちょっと気が楽になるかも

笑顔の女性

うつ状態のつらい症状は、ホルモン分泌のバランスによって起こるのだ、ということを理解するだけで、気持ちが楽になることもあります。


女性にはうつ状態になりやすい時期が3つあること、また、そういった症状は、薬などで和らげることができる可能性があることを認識しておくことで、あなた自身や、周囲の人が苦しんでいるときに、適切なアドバイスができるようになるでしょう。


今回ご紹介した本

『新版 女性のうつ病』

著者:野田順子

出版社:主婦の友社


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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