血糖値

血糖値が上がるとなぜ危険? 更年期こそターニングポイントに!

  • 更新日:2020/09/06

 エストロゲンが減少する更年期以降は、誰もが糖尿病リスクが増加します。自覚症状がなく、「気づかないうちに高血糖になっていた!」なんてことは、少なくありません。更年期をきっかけに生活習慣を変えて、血糖値の上がりにくい生活と体質を身につけることが大切です。


糖尿病のリスクをチェックして!

リスクチェック

 まず、はじめに糖尿病のリスクをチェックしてみましょう。

 チェック数が5個以上だと糖尿病要注意で、生活習慣を見直す必要があります。10個以上は、糖尿病の可能性が高く、危険な状態。専門病院で検査をすることが大切です。


太り気味である

野菜や海草、キノコ類があまり好きではない

食べ過ぎていると思うことが多い

朝食は食べないことが多い

お酒をよく飲む

ドリンク剤(栄養、美容サプリメントなど)をよく飲む

おやつやデザートを必ず食べる

期的な運動をしていない

脂っこいもの、コクのあるものが好き

ゆっくり休めない

甘いものが好き

ストレスがたまっている

夕食が遅いことが多く、たくさん食べる

食事時間が不規則である

煙草を吸う

妊娠中に血糖値が高いと言われた

40歳以上で、血縁に糖尿病の人がいる

高血圧、あるいは脂質異常症、あるいはメタボである


血糖値が高い状態が続くのが「糖尿病」です

 通常、食事をすると膵臓からインスリンが分泌されて、その働きで糖が代謝されます。けれども、インスリン分泌が不足すると、糖の代謝が適切に行われず、慢性的に「血糖値が高い状態」になります。これが「糖尿病」です。


 糖尿病は、インスリンの分泌量がもともと不足している「Ⅰ型糖尿病(インスリン依存型)」と、遺伝的要素に加えて肥満、運動不足などが原因となる「Ⅱ型糖尿病(非インスリン依存型)」とに分けられます。


 日本人の糖尿病患者の約9割は、肥満、運動不足が原因の「Ⅱ型糖尿病」です。一度、発病すると、完治することは難しいのですが、適切な治療と生活習慣の見直しによって、普通の生活を送ることができます。


更年期症状と思っていたら、糖尿病の初期症状だった!?

驚く女性

 血糖値のコントロールは、更年期以降の女性にとってなぜ重要なのでしょうか? 

 更年期になると、女性ホルモンのエストロゲンが減少します。エストロゲンには、血糖を下げるインスリンの働きを助ける作用があります。

 更年期は、エストロゲンが減少し、インスリンの働きが低下するため、血糖が下がりにくくなり、糖尿病になりやすいのです。


 もうひとつ知っておくべき重要なことがあります。実は、血糖値が高い状態は、更年期に起こる不調によく似ているのです。

 頭痛、めまい、ほてり、冷や汗、動悸、イライラなどは、糖尿病の初期や高血圧の症状に似ています。更年期症状だと思っていると、糖尿病の初期症状(反応性低血糖)ということもあるので、注意が必要です。


血糖値が上がる習慣は、コレステロール、中性脂肪、血圧も↑

 血糖値が上がりやすいタイプは、前述のチェックリストの項目にあてはまる人、家系に糖尿病の方がいる人です。特に、閉経以降に要注意です。


 このようなリスクが高い人は、閉経後、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪、血圧なども上がりやすくなります。

 これら3つとも動脈硬化を進行させ、将来、脳卒中や心臓病(心筋梗塞や狭心症)など命にかかわる病気を引き起こす原因となります。


 糖尿病とは、血糖値が高い状態で、空腹時に血糖値126以上、もしくはHbA1c値が6.5%以上です。

 糖尿病になる前の境界型糖尿病だと無症状ですが、病状が進行していくと、のどの渇きや異常な量の水分摂取、多尿、だるさ、体重減少、視力低下などの症状が現れ始めます。


 糖尿病で、最も怖いのが合併症です。糖尿病を放っておくと、神経痛、網膜症からの失明、腎臓障害や足が腐る(壊疽)こともあります。

 さらに、心不全や尿毒症、脳梗塞や心筋梗塞などの病気に発展して、生命にかかわることさえあります。


更年期からは、だれもが食事と運動を見直す必要あり!

女性食事

 閉経以降も、血糖値を上げないためには、どうすればいいでしょうか。

 多くの女性が閉経を境に、血糖値は上昇し、糖尿病の発症リスクも高くなります。まずは、若いときと同じ食生活を変える必要があります。

 閉経後と言わず、更年期になったら、食事と運動でできることから生活習慣を見直していくことが大切です。


 糖質(炭水化物)制限ダイエットは、その人のタイプ、体質によって、向き、不向きがあります。炭水化物を抜くことで食事のバランスが崩れ、かえって脂質、塩分が高くなり、コレステロール、中性脂肪、血圧が上がる人もいますので、注意してください。


 効果的なのは、レコーディングダイエットです。1日の食事と間食を手帳に記録して自分を振り返るだけで、自分で食習慣を見直すようになります。


 健康診断の血液検査で、正常範囲内であっても、徐々に血糖値が上がってきて、異常値に近づいてくることがあります。

 そんなとき、注意したいことは、体重、腹囲が増えていないかどうか、運動不足でないか、ストレスが多くないかなどをチェックすることです。血圧が上がっていないかも要注意です。メタボ(メタボリックシンドローム)になっていないかどうかが重要です。


 血糖値以外に、注目すべき健康診断の血液検査の項目としては、HbA1c値(最近1~2か月間の血糖値の状態を表す数値)です。

 また、関連して総コレステロール値だけではなく、LDLとHDLコレステロール比(LDL÷HDL=2以下が理想)、中性脂肪値(食前で150mg/dl以下が正常)もあわせて見てみましょう


血糖値を上げないための食事と運動のポイント

和食

 若いときと同じ食生活をしていると、血糖値は必ずと言っていいほど、上がってきます。

 なぜ血糖値が高くなったのか? その原因を自分で考えてつきとめ、それを改善すれば更年期世代なら、後戻りも可能と言われています。


 予防のポイントは下記にあげますが、それ以外にも、間食を減らす、油ものを減らす、3食きちんと食べる、夜遅い時間の食事を避けるなどは効果的と言われています。


 運動習慣のない人は、食後1回20分の早歩きから始めることでも予防になります。また、過度なストレスを避けることも重要。喫煙は心筋梗塞のリスクを高くしますので、禁煙も重要です。


1 食べる順番が大事。食物繊維からゆっくり食べる

2 とくに夕食は和食中心に

3 麺類、丼、炊き込みご飯はなるべく控えて

4 緑黄色野菜を毎食摂る

5 肉より魚、大豆、大豆製品を積極的に食べる 

6 軽い運動を週2回程度続ける


糖尿病専門病院での治療法は食事と運動が基本

 まず、糖尿病の初期段階であれば、薬だけに頼る治療ではなく、まずは食事と運動で生活習慣を見直すことが基本となっています。いきなり薬で治療しないのが、糖尿病専門の病院です。


 1日に摂取できるエネルギー量は、標準体重(*)×25~30kcalと制限されます。その範囲内でバランスよく栄養を摂ることが大切です。

(*) 標準体重=身長(m)×身長(m)×22


 また、運動は、血液中の糖分を消費するので、血糖値を下げる効果があります。毎日継続できるウォーキングなどがすすめられています。


 食事療法、運動療法を指導してもらったうえで、薬物療法を組み合わせて行われるのが基本です。専門医、糖尿病療養指導士の資格をもった管理栄養士、看護師によるチーム医療が行われています。


 糖尿病だけでなく、脂質異常症や高血圧も、生活習慣病です。一人ひとりに合わせた生活習慣の改善を一緒に考えてくれます。


参考資料

「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」平成30~31年度女性の健康の包括的支援総合研究事業より


▼バックナンバー

・太りやすい更年期。メタボはさまざまな生活習慣病に! どう予防すれば?


・骨盤底の筋肉は、女性の一生の財産に。そのわけは?


・今までと同じはNG。更年期は食事の見直しが大切です


・更年期のメンタルの治療で使う薬の不安。どんな薬? 副作用は?


・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

この記事がいいと思ったら
いいね!しよう

Related関連記事

Pick Up編集部ピックアップ

Rankingランキング

#tag