太りやすい更年期

太りやすい更年期。メタボはさまざまな生活習慣病に! どう予防すれば?

  • 更新日:2020/08/23

 メタボリックシンドロームは、女性は更年期以降、増えてきます。メタボは、さまざまな命にかかわる生活習慣病の誘因になります。女性ホルモンの低下で太りやすくなる更年期世代。どう対策し、予防すればいいのでしょうか。“太り気味”が気になる女性は必読です。


メタボは脳と心臓の血管の病気リスクを高めます

メタボ

 生活習慣病といわれるおもな病気には、「肥満症」「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」などがあります。

 これらの病気は、それぞれに別の原因があるのではなく、内臓に脂肪が蓄えられる肥満によって引き起こされると考えられています。


 それぞれの病気の程度が軽くても、合併すると、動脈硬化、心筋梗塞など、命にかかわる病気を起こす率が高くなるのです。

 つまり、血圧が高め、糖尿病の予備軍、肥満気味…と、ひとつひとつはたいしたことがなくても、条件が揃うと、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことがわかってきているのです。


 このように、内臓脂肪の蓄積によって起こる複合的な生活習慣病を「メタボリックシンドローム」といいます。メタボリックシンドロームは、特に脳、心臓血管系の病気リスクを高め、心筋梗塞や脳卒中に進行する危険性が高い病気です。


 日本の成人男女の1940万人がメタボリックシンドロームの有病者と、その予備軍であると報告されています。(平成18年厚生労働省国民健康・栄養調査)


女性は閉経すると内臓脂肪型に変わり、メタボリスクが上がる!

中年女性

 メタボリックシンドローム(メタボ)は、内臓脂肪と関係しています。

 体脂肪は、余ったエネルギーをいざというときのために蓄えておく貯蔵庫です。体脂肪は、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分けられています。

 この体脂肪によって、肥満はふたつのタイプに分かれています。下腹部やお尻の周りなど、皮下に脂肪が蓄積する肥満を「皮下脂肪型肥満」。内臓に脂肪が蓄積する肥満を「内臓脂肪型肥満」と言います。

メタボになりやすいのは、後者の内臓脂肪型肥満です。


 男性の肥満は、内臓脂肪型が中心で、特に腸の周辺に脂肪が蓄積され、メタボの原因となります。

 女性の肥満は、皮下脂肪型が中心で、特にお尻と大腿部に脂肪が蓄積されます。けれども女性は閉経とともに、女性ホルモンが失われることで、内臓脂肪が蓄積されるようになり、男性型の肥満になり、メタボのリスクが上がるのです。


 おへその周りのウエストが90センチ以上(男性は85センチ以上)になると、メタボのリスクが増します。最近、スカートのウエストがきつくなったと感じた人は、内臓脂肪がついているサインです。肥満解消を心がけてください。


 40 歳以上で公的医療保険に加入している人は、医療機関などで「特定健康診査」を受けて、心血管のリスクの評価を受けることができます。そして、リスクが高い人に対しては、「特定保健指導」が行われています。

 特定保健指導を受けても、血圧が高め、糖尿病の予備軍、肥満気味…など、脳・心血管系の病気のリスクが低下しない場合には、薬物療法も検討することになってしまいます。


メタボリックシンドロームの診断基準は?

メタボリックシンドロームの診断基準

 メタボかどうかの診断の基本は、ウエストのサイズです。ウエストサイズは、内臓脂肪の蓄積状態を知るための、ひとつの目安になるからです。そのうえで、中性脂肪やコレステロール、血圧、血糖などについても、次のような基準が設定されています。


メタボリックシンドロームの診断基準

1. 腹部肥満:ウエストサイズ

男性85cm以上 女性90cm以上


2. 中性脂肪値・HDLコレステロール値

中性脂肪値 150mg/dl以上

HDLコレステロール値 40mg/dl未満

(いずれか、または両方)


3. 血圧

収縮期血圧(最高血圧)130mmHg以上

拡張期血圧(最低血圧)85mmHg以上

(いずれか、または両方)


4. 血糖値

空腹時血糖値 110mg/dl以上

*2005年、日本内科学会、日本動脈硬化学会など8学会による合同基準より


メタボのリスクを抑えるには?

 メタボの人は、生活習慣の改善に努めることが重要です。また、前述したように閉経以降の女性は、メタボリスクが高まりますので、予防的に生活習慣を変えることが大切です。

 更年期以前の女性ホルモンがたっぷりある時期と同じ食生活や生活習慣をしていると、メタボになりやすいのです。


 メタボのリスクを抑えるためには、生活習慣の見直しが基本です。次の7 項目が参考になります。


1. 禁煙し、受動喫煙を回避する

2. 過食を抑え、標準体重を維持する

3. 肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を増やす

4. 野菜、果物、未精製の穀類(玄米など)、海藻の摂取を増やす

5. 食塩を多く含む食品の摂取を控える

6. アルコールの過剰摂取を控える

7. 有酸素運動を毎日30 分以上行う

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012 年版」より


食習慣を変えるには、自分を振り返ることから

食習慣

 生活習慣を変えるといっても、簡単ではないと思います。生活習慣や食習慣を改善するためには、自分を振り返って、見直すことが大切と言われています。


 まず、自分の食事と食習慣を体の状況や健診結果と関連させて振り返ってみます。食生活の問題があると認識しているか、生活習慣を変える(行動変容する)気はあるのか、を認識します。そのうえで、今の体の状況を引き起こしている要因となっている食行動や食事は、何かを振り返ってみます。


 「満腹になるまで食べてしまう」「残りものをつい食べてしまう」「野菜が嫌い」「間食が多い」「午後9時以降に食べることが多い」「早食い・ながら食いが多い」などなど。これらの食行動のパターンと、どんな食事内容かを確認して、自分で認識します。


 その中で、まず変えられそうな食行動は何か、その行動を変えることでどのくらい体の状態が改善するのか、自分や家族にとってのメリットがどのくらいあるかを考えます。

 なかには、どうしても改善できないものもあるでしょう。たとえば、「仕事の関係で、夜9時以降の食事はすぐには変えられない」ということなら、「間食を減らす」「間食の内容をスイーツから小魚やナッツに変える」ことなどから始めます。まずは、改善できそうなことを見つけて、始めてみましょう。


 食事を考えるときには、「栄養素」「食材料・食品」「料理・料理法」の視点があります。栄養素、食材料、料理(主食・主菜・副菜)、それぞれの視点でバランスよく、偏らないように、考えるだけでも食習慣改善の第一歩になります。


▼更年期太りはどうにかなる?

・更年期になると“太る!”をくつがえす方法はあります!


▼バックナンバー

・骨盤底の筋肉は、女性の一生の財産に。そのわけは?


・今までと同じはNG。更年期は食事の見直しが大切です


・更年期のメンタルの治療で使う薬の不安。どんな薬? 副作用は?


・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?


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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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