高齢出産

産婦人科医に聞く。高齢出産はネガティブな情報ばかり……希望が持てることは?

  • 更新日:2020/07/22

高齢出産とは、35歳以上での出産のことです。かつては、高齢出産は30歳以上と定義されていましたが、1991年頃、35歳以上に引き上げられました。30代半ば以降で出産することは、現代の日本ではまったく珍しいことではありません。


「女優の〇〇さんが45歳で妊娠!」「スポーツ選手の〇〇さんは、40代で第二子を出産」といった明るいニュースが報道されることも多いため、「今どきは高齢でも妊娠・出産は安全にできる」というイメージを抱かれる方も少なくありません。


しかし、20代の頃に比べると、30代、40代の方が妊娠しにくいという事実は昔から変わりませんし、妊娠・出産に伴うリスクも加齢とともに増加していきます。30代以降での妊娠・出産を望んでいる方は、リスクと、リスクに対する不安に対処する方法について、ある程度知識を身につけておく必要があるでしょう。


ということで今回は、産婦人科医・河野美香先生著『まだ産める?もう産めない? 「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実』を参考に、「高齢妊娠・出産にまつわる不安を軽減する情報」を紹介していきます。


Q1 妊娠したのですが、高齢出産のリスクが気になり、不安が消えません

高齢出産の場合、流産率や染色体異常などのリスクが高まることはよく知られています。しかし、河野先生は、「すべての高齢妊娠が異常妊娠・出産となるわけではないので、あまり心配しすぎる必要はない」と述べています。


加齢の影響で流産や胎児の染色体異常が増えるのはしかたありません。でも、妊婦健診の間隔を狭め、回数を増やすことなどで、ある程度は対応できます。リスクを怖がってばかりいてもしかたがないので、妊娠したら、きちんと検診を受けながら無理のない生活を心掛けましょう。(P.158)


不安になりすぎてストレスを感じるのは、お腹の赤ちゃんにとってもよくありません。きちんと検診を受けるなど、自分ができることは全て行い、不安に対処しましょう。


Q2 高齢出産は危険だとか、染色体異常のリスクがあるとか、ネガティブなことばかり聞きます。希望が持てることはないのでしょうか?

医師

「高齢出産はリスクが高い」ことは、様々な医師や専門家が指摘しています。こういった指摘は事実ですが、「望んで高齢出産になったわけじゃないのに、リスクばかり説明されても今さらどうしようもない」と感じている方は多いでしょう。時間は巻き戻せませんから、これから高齢出産をされる方は、ネガティブなことばかりでなく、高齢出産のポジティブな面についても目を向けましょう。


2012年8月に、イギリスの「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」誌で、母親の年齢と子どもの健康状態や成長を調査した疫学調査が発表されました。約3万人の子どもを対象に、生後9ヶ月、3歳、5歳の時点で調査したものです。結論は、母親の年齢が高くなるほど、子どもが不慮の事故にあう割合は低く、予防注射の摂取率や言語能力が高く、社会的・感情的に問題がある子が少なくなかったということです。(P.160)


母親の年齢が高くなれば、若いときより、経済的に安定しており、また、知識も豊富になっているため、子どもに対してこういったポジティブな影響を与えられるのです。


Q3 将来の出産に向けて、今、体調管理できることはありますか?

ストレスフリー

「今から、パートナーと出会って、妊娠・出産するとなると確実に高齢出産になる。でも、今は、パートナーがいないから妊活もできない……」など、将来子どもを産みたいという希望はあるけれど、今できることがなくて焦る、という方もいらっしゃるでしょう。その場合、今できることは、安全なお産のために、できるだけ体調を整えておくことです。


痩せすぎ、太りすぎは月経不順を招きますので良くありません。また、ストレスがあると自律神経が乱れ、体調不良や月経の狂いも生じます。できるだけストレスがかからないように仕事や家庭などの環境を整え、規則正しい生活を送られるといいと思います。まあ、教科書通りの答えですが、人生、周りとのかかわりのなかでさまざまなことがあります。あまり一生懸命に頑張りすぎない生き方がいいのかもしれませんね。(P.166-167)


自分の体調や精神面を整えることも、広い意味でいえば立派な妊活です。「なにかしないと」という焦りや不安は、ストレスとなり、体調にマイナスの影響を与えてしまいかねません。頑張りすぎていると感じたら、リラックスを心がけましょう。


「不安に対処する最善の方法」=「淡々と今できることをする」

今回は、「高齢妊娠・出産にまつわる不安を軽減する情報」をご紹介しました。


高齢出産のリスクに対してきちんとした知識を身につけることは大切です。しかし妊娠を望むあまり情報過多になりすぎ、高齢妊娠・出産を過度に不安視するのは本末転倒です。リスクはリスクとして認識しつつも、「こういったリスクがある。じゃあ、今できる対処法はなにがあるだろう」と冷静に対処することが必要です。


今回ご紹介した本

『まだ産める?もう産めない?「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実』

著者:河野美香

出版社:講談社


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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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