食事の見直し

今までと同じはNG。更年期は食事の見直しが大切です

  • 更新日:2020/12/28

 更年期は、食生活を見直すチャンスです。「今までと同じ食生活をしているのに、太ってきた」「今までと変わらないものを食べているのに、胃腸の調子が悪い」などと思っている方もいますが、今までと同じだから不調が出たり、体が耐えられなくなったりしているのです。女性ホルモンの分泌が大きく減り、体調が変わる更年期こそ、健康のために食事を見直すいい機会です。


更年期以降も美味しく楽しく食べられる食事に!

更年期以降の食事

 食べることは、健康の基本です。更年期は、心も体も大きく変化していく節目の時期です。これからは、自分の健康のために美味しく楽しく食べることを考えてみましょう。


 更年期に食生活を見直すことは、これから起こりやすい病気を予防し、今後の人生の質を上げることにもつながります。


 更年期の症状がつらくて、食事をすることがつらい人は、婦人科を受診しましょう。ホルモン補充療法(HRT)などの治療を受けると、美味しく食べる生活を取り戻すことも可能です。


肥満や生活習慣病、骨粗しょう症に注意!

骨粗しょう症

 女性ホルモンのエストロゲンには、脂肪を燃焼させてエネルギーの消費を促す働きがあります。また、悪玉(LDL)コレステロールを抑える働きもあります。骨に、カルシウムを蓄積して丈夫にする働きなどもエストロゲンの働きです。


 そのため、更年期で卵巣機能が衰え、女性ホルモンの分泌が低下すると、脂肪が燃えにくくなるため、中性脂肪が増え、太りやすいのです。


 悪玉コレステロールが増加すれば、血圧が上がり、動脈硬化などを起こしやすくなります。また、血糖値も上がりやすくなり、糖尿病の心配も出てきます。


 エストロゲンの減少で、骨量が減れば、骨粗しょう症のリスクも上がります。


 更年期からは、肥満、動脈硬化、糖尿病、骨粗しょう症に、特に気をつけなくてはいけません。これらのリスクをできるだけ下げて、健康に過ごすための食事が、更年期の食生活の基本です。


更年期からの食卓は野菜たっぷりメニューを中心に

野菜たっぷりメニュー

 更年期には「〇〇を食べると良い」といった健康情報が溢れています。


 けれども、それさえ食べていれば不調を改善できるというものはありません。特定の食品に頼るのではなく、栄養バランスの良い食事を3食規則正しくとることがとても大切です。


 健康にいい「理想的な食事」は、魚、野菜と果物(ただしジュースはNG)、全粒穀物(精製されていない炭水化物)、豆類、ナッツ、オリーブオイルです。

 一方、避けたいのは、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)、赤い肉(牛、豚、羊)、白いタンパク質(小麦粉、白米、じゃがいも)、バターなどの飽和脂肪酸、脂肪の多い食事です。

 肉類は控えめにして、魚介類、大豆製品、野菜をたっぷりです。


 「理想的な食事」をしていれば、抗酸化ビタミン(ビタミンA,C,E)やカルシウムは不足しづらく、コレステロールや中性脂肪を下げる、肥満を防ぎ、血管を若返らせ、生活習慣病を遠ざけます。更年期以降に増えてくる骨粗しょう症対策にもなります。


ヘルシーな食事をするための7つのポイント

ヘルシーな食事

1 脂質を摂り過ぎない。ただし良い油は大事

 エネルギー源になる栄養素とは、炭水化物、たんぱく質、脂質です。なかでも肥満の原因になり、悪玉コレステロールを増やす代表が動物性の脂肪、飽和脂肪酸なのです。

 良い油は、オメガ3のアマニ油、エゴマ油、アボカド油、青魚のEPA、DHAです。ただしこれらは酸化しやすいので、炒め物、揚げ物など火を使う料理には使えません。オメガ9のオリーブオイルは、熱に強いので、上手に使い分けるといいと思います。


2 糖質を摂り過ぎない。精製していない炭水化物はOK

 糖質の摂りすぎは、体脂肪を増やし、肥満や動脈硬化を引き落とすもとです。特に、精製してある白い小麦粉、白米などは摂りすぎないようにします。果物はそのまま食べればOKですが、果汁100%でもジュースはNGです。じゃがいもも白い糖質です。しかし、精製していない全粒粉の小麦粉、玄米などの炭水化物は、糖質が低く、食物繊維豊富なのでOKです。


3 塩分を摂り過ぎない。特に加工肉に注意

 塩分の摂り過ぎは、高血圧の原因になります。また、カルシウムの吸収にも、悪影響を与えます。

 ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、塩分も高く、動物性脂肪なので、たくさん食べると大腸がんなどのリスクを上げる可能性があります。


4 タンパク質を上手に摂る

 体のベースになる大切な栄養素です。強い骨や筋肉、正常なホルモンの働きに重要な役割をもっています。肉より魚、卵。大豆製品などの植物性のタンパク質を中心にしましょう。今、日本人はタンパク質不足が叫ばれています。毎食、必ずタンパク質を取り入れる食事を工夫しましょう。


5 食物繊維をたくさん摂る

 大腸の善玉菌を増やして、便秘を解消して、消化器系のがんなどを予防します。悪玉(LDL)コレステロールの排出を促がす働きもあります。


6 カルシウムを摂る

 エストロゲンの減少によって起こる骨の老化を防ぎ、骨粗しょう症を予防します。ただし、カルシウムを効率よく吸収するためには、ビタミンなども同時に摂ることが大切です。


7 ビタミンを多く摂る

 体の調子を整える大事な栄養素です。ビタミンD、Kは、カルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂るように心がけましょう。活性酸素を除去する抗酸化ビタミン(ビタミンA、C、E)は緑黄色野菜に、豊富です。



▼更年期の関連記事はこちら

・更年期のはじまりのサインとは? 症状から見る“更年期指数チェック”

・更年期障害にならない人もいるの? 症状は日によって変わるって本当?

・更年期のウソ?ホント? 間違って理解してない?

・閉経に向けて、生理はどんなふうに変わっていくの?

・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?

・更年期になると“太る!”をくつがえす方法はあります!

・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?

・私たちの力になってくれる婦人科医の選び方

  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

この記事がいいと思ったら
いいね!しよう

Related関連記事

Pick Up編集部ピックアップ

Rankingランキング

#tag