更年期のメンタル治療

更年期のメンタルの治療で使う薬の不安。どんな薬? 副作用は?

  • 更新日:2020/06/28

 心の不調が起こりやすい更年期。生活に支障が出るほどだったり、つらいと思う不調なら、婦人科で相談することも大切です。更年期には、女性ホルモンのバランスが崩れるために、自律神経が乱れます。気持ちの落ち込み、イライラ、うつっぽさ、不眠、倦怠感など、心の不調に悩まされたら、心の不調のための薬が処方されることもあります。お薬に不安を持つ人も少なくないため、その疑問にお答えします。


心の負担が大きいときは…

うつ

 閉経を迎える時期は早い人と遅い人では10年以上もの開きがあります。そのため、更年期の症状が出てくる時期も、人によってさまざまです。

 けれども、40代~50代は、家庭でも、職場でも、さまざまな課題や問題、変化が起こる時期です。更年期は、言ってみれば、高負担、高ストレスの世代。ストレスを上手に回避する方法を身につけることも大切です。


 そうは言っても、心の負担が大きいときには、躊躇せずに婦人科で相談しましょう。更年期障害の治療として使われるホルモン補充療法や漢方薬などとともに、心の悩みを改善するために、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。


婦人科で抗不安薬を出されるのは、どんなとき?

「更年期で婦人科を受診したのに、抗不安薬や抗うつ剤を処方され、私は心の病気なの?」と心配になったという話を聞きます。


 イライラや不安が強いときは、婦人科でも軽い抗不安薬やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬、睡眠導入薬などが処方されることは、少なくありません。

 ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬と並んで、抗不安薬は更年期障害の治療によく使われる薬です。


 気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい症状の場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬なども用いられます。

 SSRI、SNRIなどの抗うつ薬は、副作用も少なく、またほてり・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状にも効果があることが知られています。

 またこれらは、更年期の症状だけでなく、PMS(月経前症候群)でも処方される薬です。


心の病気の薬ってなんとなく怖い?

不安な女性

 心の病気に使う薬というと、自分の意思とは関係なく、気分が高揚したり、心持ちが変わったり、人格に作用したりするのでは、と心配する人も少なくありません。


 けれども、人格はもちろん、その人の考え方に直接作用することはないと言われています。


 不安やうつがひどいといった心の病気は、脳内の神経伝達機能のバランスや働きが悪くなって起こります。

 抗うつ薬や抗不安薬などの薬は、変調をきたしている脳の伝達物質が本来の機能を取り戻すのを助ける薬です。


ホルモン剤と精神安定剤は併用できる?

 婦人科で一緒に処方されたものなら大丈夫です。


 更年期の治療で眠れない、不安感があるなど、心の症状が強いときには、ホルモン補充療法(HRT)のホルモン剤と一緒に、精神安定剤や睡眠薬などを処方することがあります。

 1か所のクリニックで処方されたものなら、心配いりません。

 ただ複数の診療科にかかるときには、薬を併用することによって、予想以上に効果が出すぎてしまったり、思いがけない副作用が起こることがあるので、注意が必要です。


 複数の診療科を受診するときには、必ず両方の医師に、今飲んでいる薬を知らせてください。


心の病気の薬は副作用が心配

 「心の病気の薬は、副作用が大丈夫でしょうか?」と心配する人もいます。しかし、医師の指示に従って服用している分には、大きな心配はいりません。

 どんな薬でも、多少の副作用はあります。心の症状で処方する薬にも、眠気やめまいなど多少の副作用があります。

 気になる症状が出たときは、すぐに医師に相談することで、薬の種類を変えたり、量を減らしたしてもらえます。


 また、薬の使い方が心配で服用しなかったという人もいます。そのときは、遠慮せずにそのことを医師に伝えましょう。

 医師は、「実は服用していなかった」という状態では、適切な治療ができません。心配なことがあったら、医師にぜひ、相談しましょう。

 かかりつけ薬局がある人は、薬剤師さんに相談するのもいいでしょう。


 また、眠れないからといって、お酒と一緒に睡眠薬を飲むのは絶対に避けましょう。薬の副作用が増強されてしまうからです。


 睡眠薬に限らず、どんな薬でもお酒と一緒に飲むのは避けてください。薬の分量や飲む回数、飲むタイミングなども、医師の指示を守りましょう。


心療内科と精神科はどこが違う?

病院

 「心療内科と精神科はどこが違うのでしょうか?」という質問をよく聞きます。

 一般的に、心療内科は、体に出る症状をおもに診ます。心療内科は、心身症など、心理的な問題が原因で、起こる体の病気を診ます。


 一方、精神科は、不安や落ち込み、イライラなど心に現れた症状に向き合います。対象となる病気は、うつ病、躁うつ病、アルコール依存症、統合失調症などです。


 しかしながら、厳密にはっきりと線引きされているわけではなく、両方の看板を掲げている病院も少なくありません。

 うつ病など、本来は精神科の範囲にある病気でも、症状や程度によっては、心療内科で診ることもあります。また、心療内科を受診したら、うつ病の場合、精神科を紹介されたというケースもあります。


 厳密に区別しているわけではありませんから、精神科は敷居が高く行きにくいという人は、心療内科を受診しても良いでしょう。


カウンセリングは保険が効く?

カウンセリング

 カウンセリングは、保険が適用される場合と、そうでない場合があります。

 医師の指示で行われているカウンセリングは、健康保険が適用されます。しかし、そうでない場合は、保険適用外となります。


 医療機関とは別に、カウンセリング専門の機関で行う場合も、保険は適用されません。その場合は、期間によっても違いますが、1回につき3000円から15,000円くらいが多いのではないかと思います。



▼バックナンバー

・更年期障害じゃなかった! 更年期症状と間違えやすい心の病気とは?


・更年期に起こりやすい心の不調。その乗り越え方は?


・漢方薬で、更年期の症状を改善する方法とは?


・更年期治療のホルモン補充療法、いくらかかる? どのくらい続ける? 気になる質問に答えます!


・更年期障害の治療のファーストチョイス。気になるホルモン補充療法の副作用は?



▼更年期障害の治療ってどんなもの?

・更年期治療のホルモン補充療法、いくらかかる? どのくらい続ける? 気になる質問に答えます!

・更年期障害は治療できる! ファーストチョイスとなるホルモン補充療法(HRT)とは?

・【更年期】ホルモン補充療法(HRT)の思わぬメリットとは!?

・更年期障害の治療のファーストチョイス。気になるホルモン補充療法の副作用は?



  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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