不妊治療

不妊治療はなぜ高い?地域によって費用に差はある?

  • 更新日:2020/05/13

不妊治療というと、「何十万〜何百万もかかる」「高い」というイメージがある方が多いと思います。実際、どういった治療をするかによって費用に差は出てきますが、高額になることは少なくありません。少子化が問題視されているはずなのに、なぜ不妊治療は高いのでしょうか?


山王病院院長・堤治先生監修『マンガでわかる!はじめての不妊治療―人工授精、体外受精もこわくない!』によると、「経済的な理由で不妊治療を断念しようと思ったことがある人」は、不妊治療を開始した人の4割にものぼるといいます。


今回は、本書を参考に、不妊治療の費用についての基礎知識を解説していきます。


不妊治療が高いのはなぜ?

病気や不慮の事故で病院を受診した場合、健康保険制度で保険適用が認められているものであれば、本人の負担額は3割になります。不妊治療の場合は、保険適用が認められている範囲が限られています。保険適用が効かない治療は、全額自費で負担しなければならないため、高額になりがちなのです。


保険の適用範囲は厚生労働省が指導をしています。タイミング法や人工授精の際に排卵誘発剤を使って治療を行う場合、「こうした治療に保険を適用してはならない」という指導がないので、必要であれば保険適用で治療を行うことができます。しかし、体外受精では「体外受精を目的とした超音波検査や排卵誘発剤、血液検査には保険を適用してはならない」という指導があるため、費用の全額を患者が払うことになります。(P.96)


そのため、保険適用が効かない体外受精などの不妊治療は高額になるわけです。


不妊治療に年間いくら使うのが平均?

不妊治療お金

不妊治療を始める前は、いつ子どもを授かることができるか予測できません。そのため、「不妊治療に合計いくらかかるのだろう」「年間、どれくらいのお金が必要になるのだろう」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。


ここでは、不妊治療費の年間総額費をご紹介していきます。(参考P.97)


★雑誌「赤ちゃんが欲しい」読者に聞いた、不妊治療費の年間総額

10万円未満→13%

10万円〜50万円未満→18%

50万円〜100万円未満→24%

100万円〜130万円未満→32%

不明(130万円以上)→13%


この統計からは、年間50万円以上かけている人が半数以上だということがわかります。また1割以上の人は年間130万円以上を不妊治療に費やしています。不妊治療をするにあたって、お金の問題が大きなハードルとなっている家庭も少なくなさそうです。


不妊治療の費用には地域差がある?

体外受精など、保険適用外の治療に関しては、医療施設側が値段を設定することとなるため、病院によって料金は異なってきます。また、地域差もゼロではありません。


都会よりも田舎の方が料金が安いと感じるかもしれません。それは、家賃やスタッフの時給が関係しています。また、患者側は、その地域一帯の不妊治療の相場を参考にしたりしますから、病院側も近隣の施設と値段が離れすぎないように配慮しているケースもあります。


不妊治療費助成制度を活用しよう

不妊治療費助成制度

「費用が高すぎるから不妊治療ができない」とあきらめるのは早計です。場合によっては、平成16年からスタートした「特定不妊治療費助成制度」が活用できる可能性もあります。


内容は、体外受精・顕微受精にかかった費用のうち、1回15万円までを助成。1年度に2回まで、通算5年度まで助成を受けることができます。ただし、所得などの条件もあります。この制度は当初「1年度10万円、2年間」の助成でしたが、見直しが進み、平成21年度に1回15万円に増額されました。(P.102)


さまざまな助成金に対して言えることですが、こういった助成金は、自分で必要な書類を揃えて申請しなければ受け取ることができません。申請期間や細かい条件などは、自治体によって異なります(所得制限を設けていない自治体もあります)し、自治体によっては、人工授精や一般不妊治療に独自の助成をしているところもありますので、自分の住んでいる自治体の窓口にて、詳細を確認しておきましょう。


さいごに。不妊治療を後悔しないために、「治療費」と「治療期間」の上限について考えよう

不妊治療には、高額な費用がかかりがちです。それに、いつその治療が終わるのかは不明瞭です。そのため、「諦めきれずに続けていたら、○百万円使っていた」という事態になる可能性もあります。子どもを授かった後も、教育費などでお金は必要ですし、夫婦の生活もあります。とりあえず治療を始めて、お金が尽きるまで続けるのではなく、ある程度かかるお金を計算し、期限と使うお金の上限を決めておいた方が、後々の生活のためには良いでしょう。


また、助成金制度を確認し、受給資格がある助成金はしっかり申請しましょう。


今回ご紹介した本

『マンガでわかる!はじめての不妊治療―人工授精、体外受精もこわくない!』

監修:堤治

出版社:主婦の友社



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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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