
不妊治療との両立、もしかしたら無理ゲーじゃないかも?
- 更新日:2020/07/06
- 公開日:2020/04/28
婚活に妊活。そして、妊娠・出産…。令和に突入したと言えども、働く女性のプライベートは相変わらず忙しいようです。
こんにちは、赤星ポテ子です。
私は不妊治療と仕事との両立に悩み、会社を辞めた経験があります。
一経験者として、不妊治療を続けながら働くことの難しさや、治療に合わせた柔軟な働き方の取組についてお話します。
「不妊治療」は「妊娠出産」と同じくらい両立が困難

ではまず、妊娠・出産を機に退職した女性の割合を見てみましょう。
2人に1人「妊娠・出産を機に退職」
内閣府男女共同参画局の調べによると、「約半数の女性が妊娠・出産(第一子)を機に退職」しています。
【参考】 第1子出産前後の女性の継続就業率
子育てに専念するために退職を進んで選択する方もいるので、子育てとの両立が困難な職場環境だったとは言いきれません。
とはいえ、親の世代とは異なり、出産後も働き続ける女性が増えましたが、いまだ半数もの女性が妊娠・出産をきっかけに仕事を辞めています。
5.5組に1組の夫婦が「不妊で悩んでいる」
実際に不妊で悩む夫婦はどのくらいの割合でいるのでしょうか。
私が不妊治療をはじめた10年前は、10組に1組と言われていました。
国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によれば、不妊検査や治療をおこなった夫婦は、5.5組に1組という調査結果になりました。
不妊症で悩む夫婦の割合は、いまだ増加傾向にあります。
【参考】国立社会保障・人口問題研究所「第 15 回出生動向基本調査」結婚と出産に関する全国調査
4人に1人が「不妊治療を理由に退職」
約半数の女性が退職を選択する「妊娠・出産」に比べ割合は低いものの、不妊治療経験者の女性の4人に1人が退職の道を選んでいました。
また「不妊治療と仕事との両立が困難」と訴えた人は、退職を決めた人達の数も含めると96%にも達していました。
【参考】NPO法人Fine「不妊白書2018」
不妊の世界も、男は仕事を続けやすい「男女の壁」
なぜ、不妊治療も妊娠・出産のように女性側の負担が大きいのでしょうか。
「通院回数の多さ」と「通院日が予測できない」という、不妊治療独特の事情があります。
たとえ不妊原因が男性側であったとしても、卵子の発育状況によって治療方法やスケジュールが決まるため、女性は排卵日までに何度も病院へ足を運ぶことになります。
一方、男性は、治療初期に行われる「不妊検査」と「排卵日※」のみの通院で事足りてしまいます。
多種多様な働き方
不妊治療は治療が高度になるにつれ、通院回数と費用の負担が増えます。
●いつ終わるか先が見えない不妊治療
●自由診療のため、治療費が高い
治療の選択肢(=可能性)を狭めないためにも、通院中の方の多くが働きつづけることを望んでいます。
ゆるふわキャリア
ーーパート
高度医療(体外受精・顕微授精)に進むタイミングで、会社を辞めてパートに切り替える方が多いです。
私の友人は仕事を探す際に、シフト調整を柔軟に対応してくれる職場を探し、面接時に不妊治療中であることを伝えていました。
ーー在宅ワーク・フリーランス
会社に雇われず、自宅を作業場として働くスタイル。
自宅にPC環境が整っていることや知識があることが条件となります。
ネット環境の進歩により近年ではアマゾンをはじめ、多くの企業で在宅ワークを取り入れ始めています。
パートに比べ、より柔軟に働けることが魅力な在宅ワーク。
夜にシフトを入れ、通院時間帯とは被らないように働いている友人もいます。
フリーランスは、在宅ワークと同じく会社やお店などの組織に属さず、案件ごとの対価によって報酬を受取ります。
Webデザイナーやプログラマーといった専門スキルを必要とする場合もあります。
在宅ワークと異なる点は会社などの組織に属さないため、仕事がなければ自分で売り込みをする必要があるという点です。
企業に広がる不妊治療への支援制度
現在、週2会社員・週3フリーランスというスタイルで働いています。
私が治療との両立に悩み、フルタイム勤務を辞めた10年前と比べ、フルタイムの働き方がより柔軟になり、職場の不妊治療への理解も広がったように感じています。
●不妊治療による1年間の休職制度
●フレックスタイムの活用
●リモートワークの活用
新型コロナウイルスによる、リモートワーク・フレックスタイムの活用が急速に活発になりました。
この流れは一時期的な流れではなく、日本の「働き方」が大きな転換期に突入しました。
●職場に不妊治療を支援する制度はないか
●通院日と重なった場合、シフト変更に柔軟に対応してもらえるか
●自分ができそうな在宅ワークがないか探してみる
働きながら治療を続けたいと考えている方は、「仕事に自分の生活を合わせる」のではなく、「自分の目標や夢に合わせた働き方」を一度考えてみてはいかがでしょうか?
あなたの人生の選択肢は、あなたが思っているよりも多い。
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・#34『不妊治療でかかった費用は確定申告で取り戻そう! 医療控除になるもの、ならないもの』
・#35『いつかパパになりたいアナタへ 「精子」の不都合な真実』
・#37『アナタはいくつ知っている? 妊活をオブラートに表現する「妊活隠しことば」』
・#38『不妊治療を始める前に知っておきたい、治療法によって異なる通院回数!』
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赤星ポテ子
(イラストレーター&漫画家)
武蔵野美術大学卒。不妊治療を経て一児の母に。いつか息子と海外移住できることを夢みている。 著者「ベビ待ちバイブル」「子どもにちゃんと伝わるお金の「しつけ」」(共著)など
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