トイレ

トイレが近い、つい漏れてしまう…1日8回以上、トイレに行っていませんか?

  • 更新日:2020/03/29

 頻尿に悩まされている女性は多く、40歳以上になると7人に1人が「過活動膀胱」と言われています。過活動膀胱は、文字通り、過剰に活動しすぎてしまう膀胱です。なんの前触れもなく、いきなり「トイレ!」と強い尿意が起こります。しかも、あまり尿が溜まっていないことも。あまりに突然の尿意で、トイレに間に合わずちびってしまうことも。そんな女性に多い泌尿器の症状への対処法を紹介します。


女性に多いさまざまな排尿の悩みは、頻尿、尿もれ…

トイレ

 頻尿というのは、一般的にトイレが近くて、朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合です。けれども、1日の排尿回数は人によってさまざまです。

 8回以下の排尿回数でも、自分が排尿回数が多くて困る……と感じたら、「頻尿」といえます。*1

*1 日本泌尿器科学会


 また、突然トイレに行きたくなって我慢できず、ちびってしまったり、くしゃみをすると少し尿がもれてしまったり……ということはありませんか。これは「過活動膀胱」あるいは「腹圧性尿失禁」かもしれません。


 女性は、さまざまな排尿にかかわる症状が起こることがあります。


膀胱の粘膜にも女性ホルモンが影響!

膀胱炎

 膀胱や尿道の粘膜の収縮性は、年齢とともに低下していきます。つまり、膀胱も年をとるわけです。

 皮膚の老化と同じように、加齢とともに、粘膜も厚みが失われて薄くなり、ふっくら感がなくなり萎縮し、収縮性を失っていくのです。膀胱や尿道の粘膜も同様です。そのため、少しの尿量でも尿意を感じやすく、トイレが近くなります。


 特に、外陰部や腟は、女性ホルモンの低下に敏感に反応します。膀胱も同じです。また、膀胱や腟を支えている骨盤底筋群という筋肉の力も、女性ホルモンが低下すれば、徐々に低下してしまいます。


 それだけでなく、粘膜の抵抗力が落ちて、「膀胱炎」を起こしやすくなる場合もあります。さらに、神経が過敏になると、ちょっとした刺激で尿意を感じたりします。

頻尿に加えて、排尿痛や残尿感があるようなら、膀胱炎が疑われるので、女性泌尿器科、あるいは婦人科を受診しましょう。


膀胱炎は免疫力が下がっている証拠

水分を摂る女性

 膀胱炎の原因は、尿道から細菌が侵入して繁殖することで、これは特に異常なことではありません。膀胱は、肛門に近くて、大腸菌などが侵入しやすいところです。

 免疫力が安定していれば、細菌は抑え込まれ、繁殖できません。しかし、疲労やストレスなどで、免疫力が低下し、細菌の繁殖を許してしまうと、膀胱炎などの感染症へ。

「トイレを我慢すると膀胱炎になる」と言いますが、そういうことではなく、やはり免疫力の状態がいいかどうかです。


 もちろん暑い夏に、水も飲まず、気がついたら丸一日トイレにいかなかったという状況も良くありません。

 細菌は、尿と一緒に排泄されないと、そこで繁殖しやすくなります。暑い夏は、充分に水分を取って、尿意があればきちんと排尿することが予防や悪化を防ぐことになります。


 泌尿器科では、膀胱炎には抗菌剤が処方されます。ほとんどの場合、1週間以内に良くなると言われています。


膀胱炎から、過活動膀胱に移行しないように注意して!

病院

 注意したいのは、膀胱炎から過活動膀胱に移行してしまうことです。

 膀胱炎は、水分不足が原因だから、病院で「たくさん水を飲んで」「トイレにどんどん行って」と指導されます。

 確かに、膀胱炎の痛みがあるときの水分摂取は、良いのですが、そのままずっと水分を摂りすぎ、トイレ頻回を続けていると、膀胱の正常な感覚が鈍って、「過活動膀胱」に移行してしまうことがあると言われています。


 以前では抗菌薬は7~10日間程度内服されていましたが、最近は3日間の内服が基本とされています。急性膀胱炎の26%は、2週間以内に自然に治癒するともいわれていて、抗菌剤の内服は短期間で十分とされています。

 尿の中から薬剤が消失するお薬終了7日後に検査をして治っているかを確認します。*2

*2「標準医療情報センター 診療ガイドライン」より


 したがって、7日間ほど経ったら、水分摂取は通常の量にして、トイレも自然な回数に戻すことが大事です。

 過活動膀胱には、いろいろな原因がありますが、水分の摂りすぎや尿が溜まっていないのに何度も排尿するのはかえって良くないと言われています。


支えとなる骨盤底筋が緩むことで…

 膀胱や尿道の支えとなる骨盤底筋群が緩めば、トイレを筋力で我慢することが難しくなるのです。ストレスで神経が過敏になって、緊張が膀胱に伝わり、すぐに尿意をもよおす人もいます。緊張場面になると、トイレへ行きたくなり、ちびってしまったりするのです。


 頻尿の原因のひとつには、前述した「過活動膀胱」があります。

 過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮する病気です。

 急に、尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行くようになります。過活動膀胱は、日本で推定1千万人以上の男女がかかるとても頻度の高い病気です。(*3)

 この過活動膀胱の人の60%は、尿失禁の症状をもっていて、悩んでいる人がたくさんいます。

*3 日本排尿機能学会


40歳以上の4割の女性が悩んでいる尿失禁!?

中年女性

 尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまうこと。40歳以上の女性の4割以上が経験していると言われていて、実際に悩んでいる人は、実はとても多いのですが、恥ずかしいから我慢している人がほとんどです(*1)。


  尿失禁の中でも、笑ったり、重い荷物を持ったり、くしゃみをしたりして、おなかに力が入ってしまうことで尿がもれる場合が「腹圧性尿失禁」。

また、トイレに行きたいと感じて、トイレに行く前にちびってしまう場合を「切迫性尿失禁」といいます。 


 「腹圧性尿失禁」は、骨盤内にある膀胱や子宮を支えている筋肉が弱くなって起こります。この筋肉は、加齢によって弱くなりますが、更年期以降の肥満や閉経などによる女性ホルモンの低下によってさらに弱くなるのです。


 「切迫性尿失禁」は、尿意をもよおすと、自動的に膀胱が収縮してしまう状態です。脳障害の後遺症で起こることもありますが、加齢によってなぜそうなるか、原因不明のことが多いのです。


骨盤底筋を鍛える体操はアンチエイジングに!

骨盤底筋を鍛える体操

 頻尿(過活動膀胱)や尿もれ(尿失禁)があると、なんだか年をとった感じがして、ショック……。でも、これらの症状も、ちょっとした工夫で改善できることがあるので、トライしてみてください。


 自分でできるセルフケアは、骨盤内の膀胱や子宮を支えている筋肉、骨盤底筋群を鍛えることです。骨盤底筋を鍛える体操を紹介します。


 まず、全身の力を抜いて、肛門と腟を10秒間縮めてみてください。おなかや足に力を入れず、肛門と腟だけに集中して、ジワジワと引き上げるように力を入れます。これを数回、くり返します。


 最初は、椅子に骨盤を立てて座り、腟周りの骨盤底筋を椅子の座面で感じて行なってみるとわかりやすいです。

おなかやお尻などのほかの筋肉に力を入れないようにします。眉間にシワが入っていませんか? 顔にも力を入れないようにしてください。

 慣れてきたら、駅で電車を待っているときや家事の合間でも行えます。


 筋肉を鍛えることは、どの年代でもアンチエイジングに役立ちます。

 特に、骨盤底筋群は、意識しなければ鍛えられない筋肉です。意識できないと、お尻もどんどん垂れていきます。意識している人とそうでない人では、年を重ねるごとに差がでてきます。


アドバイスしてくれる医師を探せると心強い

 できれば、適切なアドバイスをしてくれる女性泌尿器科(女性泌尿器科で検索してみて)や婦人科の医師を探せるといいですね。自己嫌悪に陥ったり、心配するだけでなく、前向きに症状を改善していきましょう。



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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