ぶっちゃけ何歳まで産めるの?

不妊治療のプロ、齊藤先生に聞く。「ぶっちゃけ、何歳まで産めますか?」【ドクターインタビュー②】

  • 更新日:2020/02/18

不妊治療のプロ、齊藤先生に聞く。「ぶっちゃけ、何歳まで産めますか?」②


前回のインタビュー「卵巣年齢を知るべき理由」とは?では、「子供をほしいと考えている女性が、卵巣年齢について知るべき理由」についてお話頂きました。
今回は、気になる「ぶっちゃけ何歳まで産めるのか」について、不妊治療の現場で実際の診療に当たるプロの目線で本音を語っていただきました。40年以上生殖医療に携わってこられた齊藤先生の答えとは……?


今回お話を伺うのは

齊藤英和 先生プロフィール

齊藤英和 先生 プロフィール

1953年、東京生まれ。栄賢会 梅ヶ丘産婦人科 ARTセンター長。専門は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。


妊娠に最適な年齢は?

―不妊治療というと、年齢との戦いというイメージがあります。実際、何歳まで産めるものなのでしょうか?


齊藤英和先生(以降、齊藤先生): 妊娠・出産するのに一番いい時期は20代半ばです。一番自然に妊娠しやすい時期は20代、というのは揺るがしようのない医学的事実ですから、できれば20歳過ぎから妊娠については考えてほしいと思います。20代前半であれば95%の人が自然に妊娠できますが、20代後半から妊娠する能力は落ちていき、30代、40代とどんどん妊娠しづらくなります。


もちろん40代でも妊娠できる人はいますけど、自然にできるものって思いすぎるのは危険です。それに、40歳と42歳では妊娠しやすさもかなり変わってきます。ですから「今は仕事が忙しいからいつか」と先延ばしにしていると、自然妊娠が難しくなり、不妊治療に時間もお金もかかり……ということになりかねない、ということは認識しておく必要があると思います。

また、20代後半くらいから、乳がんと子宮頚がんのリスクは増えます。生殖に関するがんのリスクも年齢が高いほど増えますから、そのせいで妊娠できない、というケースもあり得るのです。そういった意味でも早めの妊娠・出産の方がリスクは低いといえます。

ぶっちゃけ何歳まで産めるの?

それに、子育ては産んだ瞬間から始まります。子育てには体力が必要なので、体力があるうちに育児に取り組めた方が、本人のためにもいいですよね。


何歳まで産めますか?

―やはり妊娠・出産にベストな時期は20代なんですね。歳を重ねるごとに妊孕率が下がるというのは理解できましたが、何歳まで産める可能性があるのでしょうか?


齊藤先生: それはね、医療従事者でもわからないんです。だって、40代だとしても40%は自然に妊娠する確率があるわけですから。


―40代で40%が自然に妊娠できるってけっこうチャンスはあるような気が……。

ぶっちゃけ何歳まで産めるの?

齊藤先生: でも6割は妊娠しないんですよね。この確率を高いとみるか、低いとみるかは人それぞれでしょう。「40代でも4割は妊娠できるんだー、じゃあ、自分は大丈夫な方に違いない」と多くの人は思いがちです。でも、自分が6割の妊娠できない側になる可能性だって十分あるわけです。そのあたりの決して優しくない現実を、自分のこととしてきちんと考える必要がありますよね。
『何歳まで産めるか』と問われると、それは個人差が大きいとしか言えません。実際、不妊治療がなかった時代であっても、50代で産んだ人は何人かいるわけですよ。だから人それぞれ、なんですよね。

前回は卵巣年齢についてお話しましたが、卵巣年齢では卵の数は知ることができても、質は知ることはできません。妊娠を望むなら質がとても大切になるわけですが、現状、卵の質を測る方法はないんです。

でも、今までのデータを見ると、若い人の方が妊娠の確率が高いというデータがあります。となると、若いほど卵子の質は高いのだろう、という予測は立ちますよね。ですから、若いときに妊娠・出産ができるなら、その方が絶対にいいわけですね。


ぶっちゃけ何歳まで産めるの?

――若いうちに産んだ方がいいことはわかりつつも、仕事のことを考えると難しい、と二の足を踏んでいる方も多いと思います。

齊藤先生: そうですね。ただ、そこで難しいから、と諦めてしまうのではなく、できることはあると思います。

会社選びについてもそうですね。福利厚生がどうなっているのか、先輩は育休・産休をちゃんととれているか、などしっかり視野にいれて就職・転職をするべきでしょう。女性が産み育てやすい会社を選ぶことを徹底することで、会社側にも「変わらなければならない」という意識を芽生えさせることができるようになると思います。簡単ではありませんが、一人ひとりが変わっていく必要があるのではないでしょうか?

他人によって与えられるものを待っていても何も変わりませんから、今の社会のダメなところにはダメだと声を上げて、「ダメなものを自分たちの力で良くしていこう」という意識が必要ではないかと思います。自分たちから動いて、アプローチしていかないと、この「キャリアと子育てが両立しにくい社会の仕組み」はなかなか変わらないことは明らかですから。

今の時代、共働きが当たり前になっていますよね。ですから、仕事と出産、両方をできる環境を早めに整える、という意識が大切です。



――インタビュー③へ続く


  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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