花粉症

いよいよ来た花粉の季節。薬の進化で治療の幅が広がった!

  • 更新日:2020/02/16

 九州、関西、東海、関東、北陸の一部で2020年花粉が飛散開始しました。花粉症に悩んでいる方に朗報です。今年の花粉量は例年より少ない見込み! 日本気象協会によると、スギ花粉の今年のピークは2月末から3月、ヒノキのピークは4月。気になる花粉飛散量の予測は、昨年とくらべて、九州から関東甲信まで、“少ない”見込みだそう。特に、九州は“非常に少なく”、中国や近畿でも“非常に少ない”所があるとみられています。でも対策は必要。選択肢が広がった花粉症治療の現状をお伝えします。


体質だから…とあきらめず、根治療法の選択も

根治療法

 例年より少ない飛散量とは言っても、今シーズンも対策が必要です。

 くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状のほかにも、眠気、イライラ、思考力低下といった症状もあるため、放っておかずに対策を行いたいものです。


 10年以上、花粉症に悩む患者さんが全体の5割以上いるという調査もあります*。一度花粉症になると、体質だから仕方がないと諦める人も多いですが、日常生活に差し支えると感じている人は、根本治療も視野に入れましょう。

*「通年性アレルギー性鼻炎・花粉症 全国意識・実態調査」(鳥居薬品調べ)


 スギ花粉症には、対症療法と根治療法があります。対症療法は、症状を軽減するために行う治療法で、飲み薬、点鼻薬、点眼薬などですが、最近は根治療法の選択肢も広がっています。


対処療法では眠気など副作用が少ない、新しい薬を選んで

抗ヒスタミン薬

 多くの人が行っている対症療法の薬は、患者にとって使い勝手のよい新しいお薬が出てきています。

 病院で処方される花粉症治療薬としては、抗ヒスタミン薬とステロイド鼻噴霧薬が中心です。

 1990年以降にできた抗ヒスタミン薬は、眠気や口の乾きなどの副作用がかなり少なくなっています。

 一方で、それ以前からある、眠気の出る抗ヒスタミン薬が処方されるケースもまだあります。市販薬にも、眠気のある治療薬が少なくありません。


 ですから、病院で処方してもらうときや市販薬を購入する際は、「運転することがあるので眠くならない抗ヒスタミン薬をください」と言って選ぶことが大事です。


 日本の鼻アレルギー診療ガイドラインでは、「患者にとって理想的な抗ヒスタミン薬は、“速効性があり効果が持続。眠気や作業効率低下などの副作用が少ない。安全性が高く長期投与可能。投与回数が1日1~2回で使い勝手がよい”」となっています。


皮膚に貼って使う治療薬も登場!

医師

 また、昨年、医師処方薬で貼るアレルギー性鼻炎薬ができました。この薬は、血中濃度が安定し持続性があり、眠気の副作用も減るとされ期待できます。


 経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤「アレサガテープ」です。皮膚に貼って使う治療薬で、皮膚に貼るタイプのアレルギー性鼻炎、花粉症治療薬として、世界初です。

 

 飲み薬に比べて、血中濃度の上昇が緩やかなため、副作用が比較的出にくく、効果が安定して、効き目が長く期待できるという特徴があります。


 使用方法は、1回4mgの貼付剤を胸部、上腕部、背中、腹部のいずれかに貼って、24時間ごとに貼り替えます。症状に応じて1回8mgに増量も可能と言われています。

 副作用としては、「眠気」「だるい、力が抜けた感じ」「口が乾く」「貼った場所が赤くなる、かゆくなる」などとなっています。


 大事なのは、治療開始のタイミングです。花粉が本格飛散する数日前から、薬の使用を開始することが大事。新たな治療の選択肢が増えたので、医師と適切な治療対策を早めに相談しておきましょう。


根治療法には、注射だけでない舌下免疫療法が登場

医療

 根治療法には、“皮下免疫療法”と“舌下免疫療法”があります。

 “皮下免疫療法”は、病院でスギ花粉の成分の入った注射をしてもらい、段階的にアレルゲンに体を慣らしていき、症状を抑える治療。


 もうひとつの“舌下免疫療法”は、医師処方の錠剤を舌下に入れ、唾液を1~2分飲み込まずに溜めておき、少しずつ体内に取り込んで症状を抑える治療です。

舌下免疫療法は、毎日自分で錠剤を入れるため、通院回数が減るなどのメリットがあります。


 いずれの免疫療法も、健康保険の対象になっています。治療は、数年に渡る継続(3年以上推奨)が必要です。


 現在、全国のアレルギー治療を行う医療機関のなかで、免疫療法が行えるのは約60%です。

ただし、花粉の飛散時期は、治療を新たに開始できないため、今年の花粉シーズン終了後の治療になります。


 症状が軽くても日常生活に影響があるなら、免疫療法などの根治療法も選択肢として考えてもいいかもしれません。

 花粉症を治したり、長期にわたって症状を抑えられる可能性が期待できます。舌下免疫療法は、日本で10万人以上が行っていて、年々症状が軽くなる人もたくさんいます。


セルフケアは想像以上に効果があります!

花粉セルフケア

 花粉の飛散が始まってからのセルフケアで大切なのは、花粉が体内に入ってこないようにする注意や工夫です。マスクが品薄な状況ですが、花粉対策にはマスクが大切。メガネも対策になります。 

 また、外出時の対策とともに、花粉が家の中にできるだけ入らないようにすることも心がけます。


 日常生活での対策は、思っている以上に効果があります。厚労省と環境省の花粉対策情報からセルフケア法をまとめました。


1.メガネ、マスクを着用す

 外出時は完全防備。コンタクトレンズの人も伊達メガネやサングラスを着用するとよいでしょう。マスクもピッタリとすき間を開けずに装着。マスク内側に、当てガーゼを付けると、さらに効果が高いとされています。帽子、マフラーも効果的です。


2.花粉のつきにくいコートを選ぶ

 コートは花粉の付きにくい、表面に凹凸がないツルツルした素材を選びます。ウール素材などのコートはできるだけ避けます。ポリエステルや綿製品で起毛のない衣類を着用します。


3.外出から帰ったら玄関外で花粉をよく払い落す

 家の中に花粉を持ち込まないために、玄関前で、コートの花粉をよく払い落します。帽子やマフラーを払うのも忘れずに。


4.帰宅後はうがい、洗顔、目を洗う

 体についた花粉を洗い流すことも大事。帰宅後はすぐに、うがい、洗顔、目を洗うことを毎日の習慣として心がけましょう。


5.洗濯もの、シーツ、布団は外に干さない

 花粉の季節は、洗濯物は家干しにします。シーツ、枕カバーなどの寝具はまめに洗濯しましょう。掃除をこまめに行い、掃除機だけでなく、濡れ雑巾やモップで掃除すると効果的。


6.空気清浄機を玄関に使う

 空気清浄機をできれば玄関に置いて、花粉を入れない対策に。また乾燥すると、花粉が舞いやすいので、加湿器も効果的。換気するときには、レースのカーテン等で遮り、開窓を10cm程度にとどめることも大事です。


花粉情報の要注意日をチェックしましょう!

天気予報

気象情報や花粉情報をチェックして、花粉の飛散が多い日は、特に念入りに対策をしましょう。次のような条件が花粉が飛びやすい日です。


o天気が晴れ、または曇り

o最高気温が高い

o湿度が低い

oやや強い南風が吹き、その後北風に変化したとき

o前日が雨


 前日、または当日の未明まで雨で、その後天気が急に回復して晴れ、南風が吹いて気温が高くなる日が要注意日となります(日本気象協会より)。



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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