加齢性難聴

20代から始まっている聴力の老化。加齢性難聴に注意!

  • 更新日:2020/01/19

 耳が遠くなるのは、高齢者になってからと思っていませんか? 聴力の衰えは、実は20代から徐々に始まってきていて、個人差はあるものの、加齢とともにゆっくりと進行していくと言われています。テレビのボリュームが大きくなったら要注意の兆候です。人生100年時代、健やかに楽しんで生きるために、今から耳のケアが大切です。



誰もがかかる可能性がある「加齢性難聴」とは?

加齢性難聴

 年齢を重ねるごとに、徐々に内耳にある蝸牛の細胞が弱くなるため、脳に信号が伝わりにくくなり、音が聞こえにくくなります。これが「加齢性難聴」の正体です。


 難聴で、急に起きる突発性難聴はよく知られていますが、実は圧倒的に多いのは加齢性難聴です。


 聴力が徐々に低下していくため、自分では気づきにくく、家族からの指摘でわかることが多いのです。

 誰もがかかる可能性があるのが加齢性難聴です。放置しておくと、認知症のリスクも高まるという研究結果もあります。


 内耳の蝸牛の細胞は、高音をキャッチする細胞から弱くなります。

 そのため、モスキート音と呼ばれる高音は、実は20歳を過ぎたころから聞こえなくなる人が増えてきます。


 つまり、20代から聴力の老化が始まるのです。そして、30代からは、高音域(2000~8000Hz)の聴力が徐々に低下していきます。


難聴にはこんな原因が! 騒音で難聴に!

騒音による難聴

 WHO(世界保健機構)が定める1日あたりの音圧レベルの許容基準と目安となる音の種類です。

 地下鉄車内の騒音の大きさは、100dB程度で、15分以上、毎日聞き続けると、耳にはとても厳しい環境となります。


 騒音の場所で過ごした後は、静かに耳を休ませることが大切です。


音圧レベル 1日あたりの許容基準  音の種類

(dBSPL)

130     1秒未満       航空機の離陸の音

125     3秒         雷

120     9秒         救急車や消防車のサイレン

110     28秒         コンサート会場

105     4分         工事用の重機

100     15分         ドライヤー、地下鉄車内の騒音

95      47分         オートバイ

90     2時間30分      芝刈り機

85     8時間        街頭騒音

75     リスクなし      掃除機

70     リスクなし      洗濯機、乾燥機

65     リスクなし      エアコン

60     リスクなし      イヤホンでの適度の音量設定


加齢に伴う聴力の衰えは気づきにくい。聞こえをチェックしましょう

聴力の衰え

 聴力は、個人差はあるものの、年齢とともに高い音から聞こえにくくなり、ゆっくりと衰えていきます。


 聴覚の低下は、生活に困ることがなければ、なかなか自覚できません。必要に迫られないと軽度の難聴を見過ごし、気づかぬうちに進行してしまうことがあります。


 テレビの音が大きくなった以外にも、電子レンジや体温計などピピッという音に気づかなくなったなどが、加齢性難聴のわかりやすい兆候です。


「チェックリスト」

□ テレビの音が大きいと言われる

□ ピピッという電子音に気づかない

□ 会話を聞き取れず、聞き返してしまう

□ 静かな環境でも聞こえにくいことがある

□ 呼んだのに気づかないと言われた

□ 声や音が割れたように聞こえる


 このような兆候があったら要注意です。


聴こえの状態や耳年齢をチェックできるサイトがあります!

耳年齢チェック

 下記のサイトで、聴こえや耳年齢をチェックできます。


「きこえのチェック」

 3分で簡単に聴こえの状態をチェックできます。雑音が混じった複数の単語と数字の組み合わせを聞き取る方法。結果はメールにも届きます。


「耳年齢チェック」

 セキュリティーシステム用に開発された高音の「モスキート音」を使ったゲーム。耳年齢をチェックできます。


早期に補聴器でケアすることが大切

補聴器

 私たちは、音を認識して情報を理解するために脳の広い部分を使います。難聴によって脳を使わなくなることで、側頭葉にある音の情報を司る部分が劣化します。脳機能は、次第に低下し、認知症発症との関連も指摘されています。


 加齢性難聴は、老眼と同じように根本的な治療法はありませんが、予防としては「騒音環境を避ける」「悪化要因と言われる動脈硬化を防ぐ」ことと言われています。


 加齢にともなって、聴力は徐々に低下するのは仕方がないこと。しかし、対策としては、難聴を放置せず、年齢にかかわらず、補聴器を使用することが大事。聞こえを改善し、言葉を聞き分ける能力を衰えさせないことです。


 補聴器を正しく装用すれば、脳の劣化を防ぎ、認知症を予防する可能性があります。


 ただし、眼鏡のように補聴器は、装用してすぐによく聞こえるようになるわけではなく、使いこなすには、脳のトレーニングが必要です。初期調整に、通常3か月程度はかかります。すぐに聴こえが改善されないからと、あきらめてしまわないことが大事です。

 日本の補聴器の使用率は、約14%。英国約47%、米国約30%と比べ、低い割合なのです。


中耳炎、騒音、ウイルスが原因の難聴も

さまざまな難聴の原因

 日本人の65歳以上の3人に1人が難聴を抱えています。前述したように、テレビの音が大きくなる、電子レンジや体温計のピピッという音に気づきにくいなどは難聴の兆候です。


 加齢性難聴だけでなく、中耳炎などによる伝音難聴、騒音やウイルスなどによる感音難聴のこともあります。


 お薬や手術で治療できる可能性もあるため、気づいたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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