緑内障

症状なく進行する「緑内障」は40歳から急増。失明から目を救うには!?

  • 更新日:2020/01/16

 緑内障は、お年寄りの病気と思っていませんか? 実は、40歳から急増しています。今日本では、40歳以上の20人に1人が緑内障と言われています。ところが、すでに緑内障になっているのに、9割の人がまだ気づいていないとされています。日本人の視覚障害の原因になる病気の第1位が緑内障です。放っておくと失明につながるおそれがある病気。その対策をお伝えします。


緑内障は自覚症状なく進行していきます!

緑内障進行

 緑内障は、視神経が障害され、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気です。

 多くの場合、視野は長い時間をかけてジワジワと欠けていくため、初めのうちは気づくことができません。


 緑内障では、見えない部分ができたり(視野欠損)、 それが広がり、視野が狭くなったり(視野狭窄)するなどの視野障害が起こります。

 初期の段階は、中心部のそばに異常がでてきますが、見えない範囲は小さいので、自覚症状はほとんどありません。

 その小さな異常が徐々に広がり、進行すると、中心部分に見えない範囲が広がっていきます。


 仮に、片方の目に見えない部分があっても、私たちは両目で見ているので、もう一方の目でカバーしてしまい、かなり広がるまで気づかないことが多いのです。

 また、目は絶えず動いているため、欠けた部分が黒く見えるわけではないことも、気づきにくい理由です。


40歳を過ぎたら、定期的な眼科検診が重要に!

眼科検診

 一度、欠けてしまった視野は、元に戻すことができません。定期的な検査で、見えない部分が広がっていないかを確認することが大切です。

 今どのくらい欠けているのか、どのくらいのスピードで進んでいるのかなどは、眼科の検査でしかわかりません。

 40歳を過ぎたら、まずは1回検診をして、リスクがあれば年1回、そうでない場合は3~4年に1回、定期的に眼科の検診を受けることが大事です。


 緑内障のリスクは、眼圧が高い人、両親やきょうだいに緑内障の人がいる人、強い近視の人、低血圧、糖尿病、片頭痛のある人などが高くなります。


ここに注目! 緑内障には2種類ある!

眼科検診

 緑内障は、眼圧の上昇などによって、視神経が障害される病気です。

 しかし、日本人には緑内障の中でも、眼圧が正常である「正常眼圧緑内障」が多く、日本人の緑内障全体の約9割を占めます。

 ですから、眼圧が正常でも、安心はできないのです。


 緑内障のおもな種類は2つです。タイプによって、症状や治療も変わり、日本人にいちばん多いのは、眼圧が正常範囲の「正常眼圧緑内障」ですので、要注意です。


●出口が目詰まりしている「開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障)」

 房水の出口(隅角)は開いているけれども、フィルターが目詰まりを起こしているタイプ。開放隅角緑内障には、眼圧が高いものと、眼圧は正常範囲の正常眼圧緑内障があり、正常眼圧緑内障が緑内障の9割を占めます。


●出口がふさがっている「閉塞隅角緑内障」

 出口(隅角)が狭くなっていたり、閉じて(閉塞)いたりして、防水が流れにくくなる緑内障。ほとんどの場合は無症状ですが、突然発作が起きて眼圧が高くなり、一晩で見えなくなることもあります。


早期に治療をすれば失明には至らない

 緑内障は一度、視神経に障害を受けると、元には戻らない病気です。そのため、定期検診で緑内障を早期に発見することが大事になります。

 早期に治療を受ければ、多くの場合、失明に至ることはありません。早期発見と治療の継続が大切です。


緑内障とわかったときの治療は…

点眼薬

 緑内障かどうかを調べるには、眼科で眼圧、眼底、視野検査などを行います。

 

 緑内障と診断されたら、治療でもっとも重要なことは、まず眼圧を下げることです。これ以上、視神経が障害されないようにすること、そして、視野障害が進行しないようにすること、とされています。


 治療は、一般的には点眼薬が基本です。

 点眼薬1種類で治療をはじめ、効果が十分でなければ、点眼薬を変更したり、作用の違う薬を追加して2~3種類を組み合わせたりして行われています。その際に、作用の異なる2つの薬がひとつになった、配合点眼薬を使われることもあります。

 点眼薬の種類は、房水の生産量を抑えるもの、房水の排出を促すものなどです。


 場合によっては、内服薬が使われることもあります。

 それでも眼圧が十分に下がらない場合や、視野障害が進行する場合は、眼圧を下げるレーザー治療や手術が行われています。


日常生活の制限は?

洋服を買う女性

 緑内障では、生活の厳しい制限や注意事項は、ほとんどありません。点眼薬を使用して定期的に受診すること以外は、普段と変わらない生活を送ることができます。


 日常生活で行ってはいけないことは、特にありませんが、眼圧が上がりやすいこととしては、強いストレス、襟のきつすぎる衣服で締めつけることなどです。

 適度のアルコールや日常で飲む程度のコーヒー、緑茶などのカフェインも問題ありません。


ほかにもある! 40歳以降、増えていく目の病気

目の病気

 緑内障以外にも、40歳以降になると、リスクが高まる目の病気があります。下記のような症状を感じたら、眼科を受診しましょう。また、特に40歳以降は、定期的な眼科検診が大切です。


●「白内障」

【症状】かすんで見える、まぶしくなる、明るいところで見えにくい、眼鏡が合わなくなる、二重三重に見えるなど。

【予防】帽子、サングラスなどによる紫外線ケア、ビタミン摂取、バランスの良い食事。

【治療】早期から点眼や内服薬で進行を遅らせること。日常生活に不自由を感じたら、眼内レンズの手術も行われています。


●「加齢黄斑変性症」

【症状】モノがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる・欠ける、視力が低下する

【予防】活性酸素(紫外線、煙草、ストレス)を避けて、抗酸化ビタミン、ルテインや亜鉛を摂ること。バランスの良い食事は大事。40歳から年1回の眼科検診が大切です。

【治療】注射。レーザー照射、外科的手術なども行われています。


●「ドライアイ」

【症状】目が疲れる、不快感がある、乾いた感じがする、眼が重たい、ずっと開けていられないなど。

【予防】パソコン作業や運転時などには、まばたきを意識的に心がけ、目が疲れたら休むこと。部屋の湿度を保つ。蒸気で温めるアイマスクなどもおすすめ。

【治療】点眼、軟膏、涙点プラグの挿入などによる治療が行われています。


 目のアンチエイジングも、全身のアンチエイジングと同様、適度な運動、肥満予防、抗酸化生活が大事です。あとは、メンタルケアも大切ですね。



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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