インフルエンザ2019

今シーズンのインフルエンザは例年より早く、すでに流行開始!傾向と対策は?

  • 更新日:2019/12/09

 厚労省は2019年9月、沖縄、九州を中心に東京都などを加えた10都県でインフルエンザの流行入りを発表しました。例年の流行入りは、11月末~12月上旬。そこから考えると、今シーズンは約2カ月も早い流行入りとなっています。インフルエンザの正しい予防対策は、意外と誤解や勘違いが多いもの。ピークを前に、厚労省のエビデンスのある発表から再確認しておきましょう。


ピークが来る前にどう防ぐかがポイント

インフルエンザ対策

 まず、今シーズンのインフルエンザ対策のポイントをまとめておきます。

 今シーズンのインフルエンザは、例年よりも2カ月も早く流行入りしましたが、全国的な流行拡大の時期は、まだわからないのが現状です。

 東京を含め、流行入りとなった自治体は増えてきていますが、全国的には流行入りとなっていません。


 また、インフルエンザのどの型が流行の中心になるのかは、予測しづらい状況となっています。ここ数年は、A型とB型の流行パターンが変則的になっています。


 今、住んでいる地域(たとえば、東京、沖縄、九州など)流行が始まっている地域では、早めのワクチン接種を開始することが大事。


 けれども、ワクチンを接種しても、インフルエンザにかかることはあることを忘れずに。ワクチンは、インフルエンザの重症化を防ぐために接種します。そのため、手洗いやマスクの着用など、日常的な予防もしっかり行うことが大事です。


A型とB型、どちらが流行しそう?

 季節性インフルエンザには、A型とB型があります。

 A型には「AH1pdm09(2009年に新型インフルエンザとして流行)」と「AH3(香港型)」があります。

 国立感染症研究所が10月1日に発表した「都道府県別インフルエンザウイルス分離・検出報告状況」では、今のところ「AH1pdm09」が31例、「AH3」が8例、B型が5例です。


 しかし、まだ、現時点ではどの型が流行の主流になるかはわかっておらず、今後の情報に気をつけておきましょう。


予防の第一は早めのワクチン接種!

ワクチン接種

 インフルエンザワクチンは接種後、抗体がつくまで約2週間かかります。ただし、あくまで重症化を防ぐことが目的。接種しても感染することはあります。そのため接種後も日常的な予防が必要です。「打ったからかからない」とワクチンを過信しないことです。

 日本全体では、毎年多くの人がインフルエンザに関連して亡くなっています。このような重症化を防ぐために、積極的なワクチン接種が勧められているのです。


「早めにワクチン接種すると、流行が続く春先まで効果が続かない?」と思っている人もいるようです。「1シーズンに2回接種をしたほうがいいの?」という声も聞かれます。


 確かに、どんなワクチンでも時間がたてば、徐々に抗体価が低下して、予防効果が薄れていきます。はしかや風疹のように感染を防ぐワクチンで、明確に抗体価の目安がある場合は、複数回接種を行います。

 けれども、インフルエンザワクチンは、重症化を防ぐことが目的。抗体価の目安はないのです。ですから、2回接種すれば効果が高まるという根拠もありません。小児の場合は別ですが、健康な大人なら、1シーズンに1回の接種が基本です。


同じ電車の車内にいると感染する?!

電車

 同じ空間にいるだけで感染するのは、“空気感染”です。空気感染は、くしゃみや咳で口から飛び出したウイルスが小さな粒となって、空中にフワフワと長く浮遊します。そのため、空気感染は、同じ空間に長くいるほど、感染リスクが高まります。

 日常的な感染症で空気感染する病気は、結核、はしか、みずぼうそうの3つだけ!

 

 インフルエンザは、空気感染ではなく、“飛沫感染(ひまつかんせん)”です。ですから、同じ車両にいるだけでは、感染しません。


 インフルエンザがうつるのは、“飛沫感染”です。

 飛沫感染でくしゃみや咳で飛んでいく粒は、空気感染に比べると大きくて、水分を含んだ重い粒です。その粒は、口から飛び出しても、通常1~2m以内で地上に落ちてしまいます。

 ですから、飛沫感染では、“距離”が重要なポイントです!

 くしゃみや咳をする人がいたら、少し離れましょう。それだけで感染の機会を減らすことができます。


 インフルエンザのような飛沫感染のウイルスは、いつまでも空中を漂ったりはしません。ですから、インフルエンザ対策で空間を除菌するのは、ピントがズレてますね。


手洗いの有効なタイミングと方法は!

手洗い

 インフルエンザのおもな感染経路は、空気感染ではなく、くしゃみや咳による飛沫感染です。

 ですからウイルスが付着したドアノブ、手すり、つり革などを手や指で触れ、その手指で鼻や口、目を触ることでも感染します。

 そのため、こまめな“手洗い”が大事です。アルコール性手指衛生剤での洗浄も有効です。


 手洗いが有効なのは明らか、とされていますが、水道があるところも限られています。日常生活の中で、何度も何度も繰り返すことはできません。

 そこで、優先すべき手洗いのタイミングを考えることも大切。たとえば、人が多く集まる場所、外のものに何度も触れる場合、マスクを取るときなどが、手洗いの効果が高いタイミングです。


 また、医療現場や食品衛生現場で行われているように、冷たい水で30秒以上、手の隅々まで手洗いすることを繰り返すのはやはり大変。

 ポイントとしては、口や手に触れる指先、手のひらを中心に洗いましょう。また、水道がないところでは、市販されているアルコールの手指衛生剤も使いましょう。


加湿はウイルス感染予防に!

加湿器

 また、“加湿”も予防になります。乾燥した環境だと、ウイルスの感染が高まります。鼻・口腔内・気道の粘膜が乾燥すると、局所的な免疫が低下する可能性もあります。

  加湿の意味はふたつあります。ひとつは、乾燥した環境のほうがウイルスの感染性が高まるので、それを避ける目的。もうひとつは、鼻・口腔内・気道の粘膜の乾燥を防ぐ目的です。

 ですから、室内全体を加湿することに加えて、鼻、口、のどの粘膜を加湿することも目的にかなっています。市販の蒸気の出るマスクなども局所の加湿にはいいかもしれません。

 

 体の抵抗力を高めるため、“十分な休養”とバランスのとれた“栄養”は言うまでもありません。


うがいの予防効果は推奨されていません

うがい

残念ながら今は、うがいの効果は???と言われています。以前は、子どものころからうがいをすすめられていました。今は、積極的に推奨されていません。

  鼻や口の粘膜についたウイルスは、ごく短時間で感染してしまいます。日常的にできるうがいの回数は限られるため、どうしても効果は限定されてしまうのです。

 

 頻繁に水やお茶を飲むということを勧めるという情報もありましたが、飲むだけではウイルスの付着部分を全てカバーすることは難しいと言われています。


マスクの効果を再確認して!

マスクの

 そして、大事なのは、インフルエンザが流行してきたら、高齢者や子ども、妊婦さんだけでなく、体調の悪いとき、睡眠不足のときは、“人混みや繁華街への外出を控える”ことです。やむを得ず人混みに出るときに欠かせないのは、不織布製マスク。


 ただし、マスクは予防より、発症者が装着して感染拡大を防ぐ目的のほうが重要です。

 けれども予防効果が全くないわけではなく、マスクをつけると手指で口や鼻に触れる機会が減り、手からの感染が防げます。

 ポイントは、マスクを外すときに鼻や口に触れないこと。せっかくの予防効果が台無しに。マスクを外したあとの手洗いが重要です。


 マスクは、感染を防ぐために、ある程度の効果はあります。しかし、小さなウイルスを完全にブロックするわけではありません。

 予防のためより、感染した人が着けるマスクのほうが効果的。咳をする人がつけていれば、飛ぶ瞬間の粒は水分を含んで大きいため、マスクでブロックされやすいからです。咳エチケット、大事ですね。



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  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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