
指のしびれ、こわばり、むくみを感じたときに、まず摂り入れたい成分は何?
- 更新日:2019/11/24
- 公開日:2019/11/24
女性に多い関節や神経の症状が、指のしびれ、こわばり、むくみです。それは、女性ホルモンがかかわっているから。40歳前後から女性ホルモンの下降が始まりますが、そのホルモンの下降にも高低差などのゆらぎが出てきます。女性ホルモンがゆらぐと、腱を覆っている滑膜が厚くなって、滑らかさがなくなってすべりが悪くなります。それが原因で、痛みやしびれが起こります。多くの女性が持つ悩みです。バネ指、ブシャール結節、手根管症候群、へバーデン結節などの病名がつくものも。そして、今、これらの症状改善に注目されている成分があるのを知っていますか?
指の曲げ伸ばしで、カクカクするのは「バネ指」かも!

指が曲がりにくいし、曲げたら今度は伸びなくなった……。指を曲げたり伸ばしたりする動作がスムーズにいかなくなった……。じゃんけんのグーが握れない……などなど。
こんな症状は、“バネ指”の可能性があります。
女性ホルモンの揺らぎが原因で、指の腱が太く腫れて、腱に引っ掛かりが生じるような状態です。
腱が腫れることで、“腱さや”というトンネル部分を通りにくくなるので、指を曲げづらくなります。なんとか、腱が腱さやを通りはしても、今度は伸ばしづらくなります。ガクガクとしてバネのような動きになります。
親指なら、第一関節。ほかの指の場合は、第二関節に起こるのが大半です。腱は徐々に腫れるので、腱さやに引っかかるまで痛みを感じず、ある日突然、不具合に気づくことが多いのです。
バネ指になる前の症状としては、朝起きたときなどに、指のむくみやこわばりを感じたという人が多いのも特徴です。
バネ指の治療は、まずは指の体操やマッサージから
バネ指の対処法は、まずは指を動かす体操をしたり、血行を良くするようにマッサージすると、こわばりやむくみは一時的には改善し、動くようになります。
根本的な治療をとなると、婦人科では女性ホルモン補充療法などが行われています。同時に、鎮痛剤や湿布なども処方される場合が多いようです。
これらで改善しない場合は、手指の関節にステロイド注射をする治療も行われています。さらに、手術という選択肢もあります。腱さやを切る手術で、小さく切開する日帰り手術で治りますが、指はよく使う部位なので、どうしても3か月ほどは違和感が残る人が多いとも言われています。
もしこれらの治療を考える場合は、手を専門とする整形外科を受診します。
軽症のうちなら大豆の成分を摂ることで!

バネ指のような指のしびれ、こわばり、むくみを感じたら、ひどくなる前に大豆に含まれる女性ホルモンのエストロゲンに似た大豆イソフラボン作用をもつ“エクオール”を摂取しておけば、手術せずに済むことが多いという研究結果が明らかになりました。
これらの手指のしびれ、こわばり、むくみの症状改善で、最近、注目されるのが女性ホルモンのエストロゲン様作用を持つ“エクオール”という成分。
大豆製品(納豆や豆腐、味噌など)を摂ることで、体内でエクオールを作ることができる人もいます。が一方で、作れない人もいます。また、作れてもエクオールの産生力には個人差があります。
エクオールは、サプリメントでも市販されていますので、違和感がある人は試してみてもいいと思います。
また、大豆を摂ることで、体内でエクオールを作る力が自分にあるかどうかは、尿検査キットが市販されていますので、自分の状態を知っておくことも対策になります。
第二関節が太くなって指輪が入らない!「ブシャール結節」

指の第二関節が太くなり、変形する病気がブシャール結節。指の第二関節がこぶのように腫れて変形します。
更年期以降の女性に見られ、母親や祖母に起こっていると、自分も起こること(家族内発症)が多いというのもこの病気の特徴です。
症状は、痛みと腫れです。ただし、痛みの程度には個人差があります。また、つり革を握るときや、ふきんを絞るときに痛いということもあります。
また、痛みよりも先に、第二関節だけが太くなって、指輪が入らなくなったことで気づいたという場合もあります。
「ブシャール結節」もエクオールで!
このブシャール結節も、大豆イソフラボンから体内で作られるエクオールが有効と言われています。女性が大豆を摂ることは大事なのです。
病院での治療は、鎮痛剤の塗り薬やステロイド剤の注射による痛みの緩和です。
繰り返す場合は、軽度であれば、腱を切開したり、指を曲げる鍵を一本切除して動きをスムーズにする手術が行われています。
変形が進んでいる場合は、人工関節に置き換える手術も行われています。
関節の痛みや腫れというと、関節リウマチと症状が似ていますが、原因は全く異なります。
関節リウマチは、免疫機能の異常が原因です。けれどもブシャール結節は、近年、女性ホルモンの減少が関係すると考えられるようになっています。
ただし、症状の始まった初期段階では、判断が難しいのでまず関節リウマチの検査をすることが大切と言われています。
関節リウマチの検査で異常なしとわかったら、女性ホルモンの低下が原因かもしれないので、婦人科を受診します。年のせいだから仕方ないと諦めずに、大豆製品やエクオールのサプリメントを摂ってみるのもいいでしょう。
親指から薬指がしびれるのは「手根管症候群」の可能性が!

親指から薬指にかけての4本の指が痛い、しびれる…。夜中に痛みで目が覚める…。
こんなときに疑われるのが、手根管症候群です。これも女性ホルモンのバランスが乱れることがおもな原因で起こる症状です。
手根管とは、手のひらの付け根にある、骨と靭帯に囲まれたトンネルのような組織。この中に9本の腱と正中神経という2本の神経が走っています。
女性ホルモンの分泌の低下によって、この9本の腱の周りにある滑膜が腫れて、正中神経を圧迫します。
正中神経は、親指から薬指の親指側までの3本半の指を司る神経です。そのため、症状が出るのもこの範囲だけ。小指以外です。
手首を曲げる動作で痛みやしびれが起こります

おもな症状は、痛みとしびれ。なかでも手首を曲げる動作で、痛みやしびれが出やすいのが特徴です。自転車のハンドルを握るときや車の運転のとき、ひじをついて本を読んでいるときに、痛みやしびれを感じる人が多いと言われています。
また、夜中や明け方に症状が強くなる傾向もあります。痛みで目が覚めたり、朝起きたときにしびれを感じることがあります。
手首に原因があるのに、ひじや肩のだるさを訴えることもあります。
これらは、初期症状です。さらにひどくなると、1日中痛くなったり、感覚が低下して、熱いものを触っても熱いと感じなくなることも。親指の筋肉がやせてしまい、箸や筆記具がよく持てなくなったりするなど、日常生活への影響も大きくなっていきます。
「手根管症候群」もエストロゲン様作用に注目
まずは、手首に違和感があったときに、大豆製品やエクオールを摂ってみることもいいでしょう。初期なら、エクオール成分がゆるやかに症状を抑えていくというデータがあります。
しかし、長引くようであれば初期のうちに、腫れや痛みを抑えることが大切。手の整形外科を受診してください。
病院では、ステロイド注射で腱の腫れを引かせ、滑膜を縮める治療が行われています。しかし、腱近くにステロイドを打つと、腱が弱くなりやすいというリスクがあると言われています。
ステロイドの濃度や回数を制限しつつ注射をして、症状が落ち着いてからエクオールのサプリメントなどで安定した状態を維持するという方法もあると言われています。
女性ホルモンのバランスが原因なので、ステロイド注射では根治にはなりません。婦人科では、女性ホルモン補充療法による治療も行われています。
指の第一関節が赤く腫れ、とにかく痛い「ヘバーデン結節」

第二関節に不具合が生じる「ブシャール結節」に対して、「ヘバーデン結節」は第一関節にトラブルが生じる病気です。第一関節は、60度ほど曲がる、日常何気なく使っている関節。
おもな症状は、痛みと変形。これも女性ホルモンのバランスの乱れが原因です。
第一関節が腫れたり、関節液が溜まり、水ぶくれになって変形してきます。また、見た目はあまり変化がなくても、とにかく痛いという場合もあります。少し触れただけ、また寝返りを打つだけで痛いと訴える人もいます。
強い痛みを感じる前の初期症状は、キシキシする違和感です。紙や硬貨など、薄いものをテーブルの上からとりづらいのも特徴です。パソコンのキーボードを打つのが痛いという人もいます。
第一関節にもエクオール。手術で劇的によくなる!
初期治療は、ブシャール結節と同じく、大豆製品やエクオールの摂取、合わせて痛みの緩和が中心です。
テーピングによる固定も行われます。初期はテーピングですが、症状が進んだらねじを入れて関節を固定する治療が行われています。
手術という選択もあります。手術で痛みは劇的に改善し、指も細くなるため、もっと早く手術すればよかったという人も少なくないと言います。
痛みが少なくても放置すると、変形が進みやすくなるため要注意です。7年から10年ほどの時間をかけて変形していきます。
日本女性は、手先の美意識が高いため、変形すると人前に手を出すのが恥ずかしいと悩む人も少なくありません。
特に、ヘバーデン結節は、軽症を含めると女性の85%以上が経験するというデータもありもます。
キシキシするきしみなどの違和感があったら、エクオールのサプリメントを摂取するなどの対策をすることも大切です。
▼バックナンバー
・ビタミンD3は日本人の80%が不足!骨粗鬆症や姿勢の悪さの原因に
・【エクオール】大豆を摂ってもイソフラボンの恩恵を 受けられない人が50%も!
・たんぱく質が体内で変換し、食物繊維に似た働きをする “レジスタントプロテイン”って知ってる?
・気になる口臭。自分でケアするだけでは解決しない!? そのわけは?
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増田 美加
(女性医療ジャーナリスト)
女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。
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