
30代から知っておきたい「更年期を乗り切る7つのコツ」とは?
- 更新日:2019/12/03
- 公開日:2019/11/27
更年期とは、一般的に、閉経前後の5年間のことを言います。
つまり、50歳で閉経する場合、45歳〜55歳が更年期になるわけです。閉経年齢や更年期の期間は、人によって異なります。早い人では、40代で閉経する人もいますから、そういった方の場合、必然的に更年期は早めにくることになります。
更年期は、今まで出ていた女性ホルモンが減る時期なので、急激な変化によって体調不良に陥ることも少なくありません(もちろん、ほとんど不調を感じない、という方もいます)。
今回は、変化の多い更年期を元気に乗り切るためのコツを、産婦人科医・有澤正義先生著『更年期を知れば心とカラダはこんなに楽になる』を参考にご紹介していきます。
更年期に起こる症状とは?
生理が止まると、女性ホルモンは分泌されなくなります。このことによって、体内環境は大きく変化しますから、その急激な変化についていけなくなり、体は混乱してしまいます。その混乱によって様々な症状が生まれます。
代表的な症状には以下のようなものが挙げられます。(P.35-38参照)
・急に顔がほてって汗が吹き出てくる
・上半身は熱いのに、手足が冷える。逆に手足がほてって、布団から足を出したくなる
・肩こりや頭痛がする。腰や関節が痛い。手足がしびれるようになった
・めまいやふらつきがある。雲の上を歩いているような感じ
・動悸や息切れがある
・些細なことでイライラする。理由もなく不安になる。急に涙が出てくる
・疲れやすく根気がない
更年期にはこういった様々な症状があらわれがちです。これらの症状はまとめて、更年期障害と言われるものです。症状は多岐に渡りますが、大きく4つの症状に分けられます。
その4つとは、
1不安・イライラ、うつに代表される「精神神経症状」
2のぼせ・ほてりに代表される「血管運動神経症状」
3しびれや冷えに代表される「末梢循環障害」
4尿もれや膣萎縮が現れる「泌尿・生殖器症状」
です。
更年期障害の3つの要因とは?

ここまで更年期にあらわれる様々な症状について紹介してきました。有澤先生の印象では、「50代の女性の半分くらいに更年期障害の何かしらの症状があり、治療が必要な人はそのうちの一部。全体で1〜2割程度」だそうです。
なぜ、症状が強くあらわれる人と、軽く済む人がいるのでしょうか?
それは、更年期障害の直接的原因であるエストロゲンの減少スピードが個々人によって違うから、という以外にも理由があります。ここでは、更年期障害を引き起こす3つの要因を紹介しておきます。(P.41-43参照)
更年期障害の要因1 心理・性格因子
・几帳面、完璧主義
・神経質
・マイナス思考
・対人関係が苦手
更年期障害の要因2 内分泌因子
・卵巣機能の低下
・エストロゲン低下
・自律神経中枢の乱れ
更年期障害の要因3 社会・文化的因子
・母親的役割の終了
・空の巣症候群
・健康不安
・経済不安
・夫の妻への依存性増大
これらの要因が絡み合い、更年期障害の症状が強くあらわれるか弱くあらわれるかが変わってくる、というわけです。
更年期を乗り切る7つのコツとは?

では、こういった複雑な因子の重なり合いによって生じる更年期障害は、どのように乗り越えればよいのでしょうか? 有澤先生は、7つのコツを紹介しています。
更年期障害を乗り切る7つのポイント
1更年期障害に早く気づくこと
2更年期障害を自分だけで我慢しないこと
3気軽に婦人科医に相談すること
4環境変化に柔軟に対応し、積極的に生きること
5ストレスをためず、完璧主義にならないこと
6適度な運動をすること
7バランスのとれた食事をすること
(P.65)
更年期障害は、治療を受けることによって、症状を軽くできる可能性が大いにあります。治療を受けるために、まずは、不快な症状が出た時に、「これって更年期かも」と疑うことができるような知識をつけておくことが大切です。早く気がつくことができれば、それだけ早く対処ができます。
「更年期は誰にでもあることだから」とか「病気じゃないんだから」と放置していると、何年も症状に苦しむことになりかねませんから、更年期が疑われる症状が出たら、速やかに専門医に相談しましょう。
さいごに。更年期に病院に行くことで、老年期の病気に備える効果も期待できる
今回は、更年期障害の原因や症状について解説しました。
更年期以降は、女性ホルモンが分泌されなくなる影響で、骨粗鬆症や動脈硬化が進行するリスクがぐっと上がります。
更年期障害を放置せずに、婦人科を受診することは、更年期の体の不調と付き合っていくだけではなく、きたる老年期の病気に備える効果も期待できるのです。そのため、更年期を迎えたら、それ以降は定期的に婦人科検診を受け、体調管理を心がけることが望ましい、と言えるでしょう。
今回ご紹介した本
『更年期を知れば心とカラダはこんなに楽になる』
著者:有澤正義
出版社:現代書林
【バックナンバー】女性を幸せにする本
・「結婚して子どもを産む」以外の生き方に目を向けてみよう・医師が語る「生理前のイライラ・体の不調(PMS)を和らげる食事」
・無痛分娩を選ぶのは「日本人3割、外国人9割」?妊娠・出産のリアル
・「もう、ごはんのこと考えたくない」ワンオペ家事を脱するための5つのキーワード
・ドイツでの服用率は50%以上。「ピル」のメリットは避妊だけじゃない!

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今来 今
(フリーライター)
神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。
twitter@imakitakon
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