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「抗生物質は風邪に効果あり」は大間違い!日本人の理解度は?

  • 更新日:2019/10/10

 感染症治療に用いられる抗生物質。今、この困ったときの救世主が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化していることはご存知でしょうか?

 今回は、AMR臨床リファレンスセンターが実施した日本人の「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」をご紹介します。日本人の現状を知って愕然とするかも……!?


日本人の抗菌薬・抗生物質の理解度やEU諸国との比較

抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことは?

 まず、そもそも抗菌薬や抗生物質についてきちんと理解しているという人はどのくらいいるのでしょうか?


抗生物質を知っている人

 「聞いたことがあり、詳しく知っている」と回答した人は約3人に1人。ここまでが抗菌薬・抗生物質のことをどのような物かきちんと理解している人で、「聞いたことはあるが詳しくはわからない」と答えた人は60.2%という結果に。回答した人の約96%が抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたこと自体はあるようです。


抗菌薬・抗生物質についてあてはまると思うものは?

抗生物質についてあてはまるもの 抗生物質についてあてはまるものEU比較

 「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して「あてはまらない」と正しく回答した人は23.1%、「あてはまる」と回答した間違った認識を持っている人は64.0%でした。


 ヨーロッパで行われている世論調査※1の結果と比較すると、EU28ヵ国では「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して「あてはまらない」と正しく回答した人は43.0%もおり、日本よりも正しく回答する人の割合が高いという結果に。スウェーデンの正答率の高さが目立ちますが、いかに日本人に抗菌薬・抗生物質についての知識が不足しているかが明らかとなりました。


抗生物質は風邪に効果がある?質問結果 抗生物質は風邪に効果がある?EU比較

 続いて、「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」という問いに対して「あてはまらない」と正しく回答した人は35.1%、「あてはまる」と回答した「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」と誤った認識を持っている人は約半数も存在するようです。


 ヨーロッパの世論調査※1では、EU28ヵ国では66%の人が「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して「あてはまらない」と正しく回答しており、日本よりも正しい知識を持つ人の割合が高いことが分かります。


※1:「Special Eurobarometer 478」Antimicrobial Resistance, September 2018


抗生物質の効果について

 また、「抗菌薬・抗生物質を不必要に使っていると効果が薄れてしまう」という問いに対して「あてはまる」と正しく回答した人は67.3%。


朝起きたら、熱が37℃。学校や職場を休みますか?

風邪の日に休むかどうか

 今朝、かぜをひいたと想定したとき、「休む」と回答した人は37.1%であったのに対し、「休みたいが休めない」人は38.5%、「休まない」人は24.4%も。最も多かったのも「休みたいが休めない」という回答で、実質「休まない」人は約63%も存在することが明らかに。


薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことは?

薬剤耐性の認知度

 薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を「聞いたことはある」が49.6%、「聞いたことはない」が50.4%。薬への耐性を持った薬剤耐性菌のことが医療業界で問題視される中、未だに聞いたことがないという一般人は半数もいるようです。


薬剤耐性、薬剤耐性菌についてあてはまるものは?

薬剤耐性にあてはまるもの

 「薬剤耐性とは病気の原因となる細菌が変化して抗菌薬・抗生物質が効きにくくなることである」と正しく回答した人は約80%。一方で、「病気になる人の体質が変化して抗菌薬・抗生物質が効きにくくなる」と誤った回答をした人も44.3%も存在するようです。



 今回の調査結果から明らかになったのが、日本人の抗生物質についての理解度の低さ。かぜなどで医療機関を受診したときに症状を抑える薬以外にも抗菌薬・抗生物質をもらうことがあることから、抗菌薬・抗生物質を「風邪に効果がある」「ウイルスをやっつける」と誤解する人が多いのかもしれません。

 また、「働き方改革」が導入された後でも、休みたくても休めない実情が今回の調査で明らかになりました。未だ風邪を引いても休みにくい環境にあるようですが、休めないからといって間違った知識で抗生物質を服用するのは絶対にNG。今後休めないと回答された方たちが気兼ねなく休めるような環境が整うことを願います。



参考

国立国際医療研究センター病院、AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)



<AMR対策の必要性>

~抗菌薬・抗生物質は不適切な使用により、本当に必要な時に効果が低くなる~

抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする薬です。しかし、細菌もさまざまな手段を使って生き延びようとします。本来ならば効くはずの抗菌薬・抗生物質が効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」といいます。2019年4月29日、国連は抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告しています。日本では、外来での抗菌薬・抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療で抗菌薬・抗生物質の適正使用を推進することが不可欠といえます。

  • 女子カレ編集部

    女性のココロとカラダに寄り添うサービス『女子カレ』の編集部。主に「今」お届けしたい情報をお届けします。

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