更年期起こりやすい息切れと動悸の対処法

息苦しくて、動悸がする、これって心臓の病気? どこを受診すればいいの?

  • 更新日:2019/09/08

 胸苦しくて、息が十分吸い込めない感じがする。胸に何かがのっかっていて、首まで締めつけられている感じ。胸全体が重たい。胸がつっぱる。呼吸が苦しい…、などなど。ひと口に息切れ、動悸といっても、訴える症状は千差万別です。「もしかしたら、ぜんそく? それとも、肺や心臓の病気?」と思ったりする人が多いのも特徴です。呼吸が苦しく、動悸がしたり、脈がとぶような感じがすると、「この動悸、不整脈かしら? 何か心臓の病気?」と不安感が募りますよね。更年期世代に起こりやすい息切れと動悸の対処法をお伝えします。


更年期世代の息切れと動悸はきっかけもなく突然起こるのが特徴です!

更年期の息切れ・動悸

 階段を急いで駆け上ったり、激しい運動をしたあとは、だれでも脈が速くなったり、ドキドキしたりするものですが、更年期の症状として現れる動悸や息切れはこれといったきっかけもなく起こるのが特徴です。


 なかには、夜寝ているときに、急に激しい動悸がして驚いて目が覚める、と言う人もいるくらい。また、胸がドキドキしてなんとなく、息がすっきりしないという症状の人もいます。


おもな原因は自律神経系の乱れです

自律神経系の乱れ

 息苦しさや動悸があると、不安になり、その不安感がさらに息苦しさや動悸を増長させることがよくあります。

 また、疲れたり、ストレスが多くなったりすると、息苦しさや動悸を感じることが多くなります。これらは、まさに更年期の特徴です。


 おもな原因は、心臓の拍動をコントロールしたり、胃の働きを調節している自律神経の乱れによるものとされています。


 息苦しさや動悸の症状は、自律神経失調症の症状と関連していて、自律神経が乱れると起こりやすい症状です。脳内の視床下部、下垂体にある女性ホルモンの指令を出す箇所と、自律神経系の指令箇所が近いことで、影響を受けるからなのです。


ストレスや疲れがあると症状が増長することも

ストレスや疲れが症状を増長

 ストレスがあると自覚している人もいますが、ストレスがないと思っていても、症状が続いている人もいます。

 よくなったと思っていたら、忘れたころにまた症状が出てくることもあります。ストレスが強かったり、疲れたり、無理したりすると起こることが多い症状です。


 息苦しさや動悸は、はっきりと現れる人よりも、なんとなく、ドキドキするとか、胸苦しい、息苦しいなどと感じる人が多いようです。


 あまり長く続いて、不安が募るようだったら、一度病院で検査してみたほうがいいでしょう。

 動悸や不整脈は、内科(循環器内科、心臓内科が専門)でもいいですが、更年期のほかの症状もあるようなら、婦人科を受診してみるのはどうでしょう。


 更年期になると、不整脈が増える傾向にあります。不整脈でないかどうかをチェックすることは、更年期では大切なことです。


まず深呼吸をして気持ちを落ち着かせます

深呼吸

 動悸や息切れなどの症状が起こったときは、まず深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが大事です。

 症状が激しいときは、過呼吸の状態になっていることが多く、これは空気中の酸素を多く吸い込み、一時的に血液中の二酸化炭素の濃度が低くなった状態です。


 過呼吸への対応としては、紙袋を口に当てて、自分の息をゆっくり吸い込むようにします。このことで、血液中の二酸化炭素濃度が調節されて、発作が自然におさまります。

 近くに紙袋がないときは、両手で口と鼻を追って呼吸をします。ビニール袋は窒息の危険性があるので、使わないようにしましょう。


 それでもおさまらない場合は、内科(循環器内科、心臓内科)などの病院で医師の診断を受けてください。

 症状が現れたら検査を受けて、ほかの病気が隠れていないか確かめておきましょう。医師からはいつ、どんなときに症状が現れるか、どうすればおさまるか、などを聞かれます。


こんな病気が原因のこともあるので要注意!

めまい

 心臓の病気でも、動悸や息切れがします。

 更年期、特に閉経後は、狭心症や心筋梗塞などの心臓病に気をつけなくてはいけない年齢です。エストロゲンは血管も守っていて、エストロゲンの減少により、血管も弱くなりやすいのです。

 症状が現れたら、まず検査を受けて、原因を確かめておくことが大切です。


 また、貧血や肥満によっても動悸や息切れが起こります。検査で異常が認められず、更年期の症状とわかれば、特に心配する必要はありません。

 治療は、症状の強さや必要に応じて、自律神経調整剤を用いたり、漢方療法などが行われます。


漢方薬も試してみる価値あり!

漢方薬

 低用量ピルやエストロゲン剤で、女性ホルモンを補充してあげるのは、ひとつの方法です。また、不整脈のための薬や、安定剤で症状がやわらぐ人もいます。婦人科の医師に相談してみましょう。


 また、漢方薬も効果的です。加味逍遥散は、不安や自律神経症状を和らげてくれます。


 強い症状ではなく、なんとなく動悸、息切れを感じる程度という人は、予防的な対策として、ストレス解消を心がけてリラックスして、楽しい時間を持つことが大事です。


エクササイズ、食事、総合的なアプローチで!

総合的なアプローチ

 また、適度な運動は、いろいろなエビデンス(科学的証拠)があります。軽い有酸素運動(エクササイズ)を定期的にして、生活リズムを規則的にすることで、症状はかなり緩和できます。激しい運動は、不整脈などがある人には危険なこともあります。


 食事も大切です。何を食べればいい、というよりも、とにかくバランスが大事。和定食のイメージで。

 更年期世代は、食生活を見直すとてもいいチャンスです。

 特に、動悸息切れの原因が貧血であれば、食生活の改善が基本です。レバー、ほうれん草、アサリなど鉄分を多く含んだ食品を積極的に摂るように心がけます。


 カフェインの多いコーヒーや紅茶などの飲み過ぎ、アルコールなども原因になります。嗜好品は摂りすぎに注意です。煙草は、やめて禁煙を心がけましょう。


 メンタル面、フィジカル面ともに日常的なちょっとした工夫で不調を改善することができます。

 卵巣機能は下がっていきますが、上手に対処すれば、体調はまだまだ復活します。日常の工夫や努力は、決して無駄ではありません。


睡眠とリラックスタイムを大切に

睡眠

 過労や過度の不安があると、症状が出やすくなります。睡眠を十分とることで、不調から復活することもできます。


 好きな趣味や軽いスポーツを楽しむなどして、気分転換を図ることもいいですね。



▼バックナンバー

・プレ更年期・更年期世代の腹痛、おなかの張り


・更年期に多いめまいと耳鳴りにどう対処する?


・頭痛がする、頭が重い…これも更年期?原因は?


・生理痛に悩むときのセルフケア ポイントはゆるめる、ゆるめる


・疲れがとれず、すぐにだるくなる…更年期特有の疲れにどう対処する!?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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