大腸の働き

腸の働きは、加齢とともに衰える! 食物繊維も乳酸菌も両方必要です!

  • 更新日:2019/08/23

 年齢を重ねると、大腸の働きや腸内環境はどのように変わるのでしょうか? 腸内環境のバランスが崩れると便秘や下痢、免疫力も落ちると言われています。女性はお肌の調子も低下しますね。腸の働きを助けるのは、ご存じ腸内細菌。腸のためには、腸内細菌のエサとなる食物繊維も、整腸作用のある乳酸菌も、両方必要です。善玉菌を増やして、腸内環境を整えるために、今からできることをお伝えします。


筋肉が減り、血流が低下すると腸の機能も落ちる!

中年女性

 年齢を重ねると、筋肉量や血流が落ちてきます。筋肉は何もしないでいると、20代から年1%ずつ減っていくと言われています。筋肉も血流も低下すれば、腸の機能も低下します。そして、腸の粘膜は、腸内細菌にも大きくかかわっています。


 腸内には数100種類、100兆個という菌がいて、これらを腸内フローラと言いますが、この腸内フローラが健康状態に大きな影響を与えています。

 腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌、どちらにも傾く日和見菌があって、善玉菌の代表格が乳酸菌やビフィズス菌などです。

 

 善玉菌は、腸内フローラのバランスを整え、腸の運動を活発にして、便秘や下痢を防ぐ効果があります。免疫力を高めるなど腸内環境をよくするためには、善玉菌を増やすことが重要です。


腸内の乳酸菌の数も年々減っていく!

腸内の乳酸菌

 善玉菌の代表格として知られるのが乳酸菌。その数は、年齢とともに減ってしまいます。生まれたときの赤ちゃんの腸内には、乳酸菌が圧倒的に多く、腸内細菌全体の70~80%を占めるほどです。

 それが40〜50代では20%を切ってしまうのです。さらに70代以降の腸内の乳酸菌は10%を下回るという数字も。


 では、善玉菌を増やして、腸内環境を整えるにはどうしたらよいのでしょうか?


日本古来の発酵食品には乳酸菌も豊富です

お味噌汁

 腸内細菌の栄養となるものには、発酵食品があります。多くの発酵食品には、乳酸菌が含まれています。

 乳酸菌と言えば、ヨーグルトやチーズが浮かびますが、味噌、しょう油、酢、ぬか漬けやキムチも発酵食品ですね。ヨーグルトやチーズは動物性脂肪も含まれますので、日本古来からの植物性の味噌やしょう油、ぬか漬けなどの発酵食品から摂りたいものです。


どちらも大事!おなかの菌を助ける乳酸菌とエサになる食物繊維

きのこ料理

 さらに、腸内にいる乳酸菌が好んで食べているのが食物繊維です。食物繊維が少ないと、乳酸菌のエサがなく、元気になれません。


 この乳酸菌を喜ばせて増殖させ、活性化させるのがプレバイオティクスという成分。これをよく含んでいるのが食物繊維なのです。

 食物繊維を積極的に摂ることは大事ですが、どれかひとつの食材だけを摂っていれば大丈夫ということはありません。


 善玉菌を増やすためにも食物繊維を積極的に摂ることが大事。食物繊維が豊富な食品は、豆類、海藻類、ごぼう、きのこ類、切り干し大根などなど。種類豊富にバランスよく摂ることが大事です。


大腸がんは日本女性に多いがんです

医者

 日本女性の大腸がんは増加傾向にあり、罹患率は乳がんに次いでいまや第2位です。そして、死亡率は、女性のがんで第1位です。大腸がんは、更年期以降にリスクが上がります*。


 大腸がんの原因のひとつに、食物繊維が少なく、脂肪分の多い食生活が考えられます。乳酸菌や食物繊維が食事で摂りきれないときは、サプリを利用するのも手です。


*国立がん研究センターがん情報サービス 最新がん統計より


腸は腸だけの問題にあらず…腸脳相関とは?

腸脳相関

 “脳腸相関”という言葉をご存じでしょうか? 腸脳相関とは、脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼし合っていることを表しています。

 

 たとえば、ストレスを感じるとお腹が痛くなり、便意をもよおすことがありますね。これは、脳が自律神経を介して、腸にストレスの刺激を伝えるからです。


 逆に、腸に病原菌が感染すると、脳で不安感が増すこともあります。また、脳で感じる食欲にも、消化管から放出されるホルモンが関与していることが示されています。

 これらは、腸の状態が、脳の機能にも影響を及ぼしていることの証拠です。 


 このように、密接に関連している脳と腸ですが、最近では、病原菌だけでなく、腸内に常在する腸内細菌も、脳の機能に影響を及ぼすという研究が注目を集めています。「脳-腸-微生物相関」という言葉も使われ始めているくらい。


 脳のためにも、腸内環境を良くしておくことは大事です。



▼バックナンバー

・更年期に多いめまいと耳鳴りにどう対処する?


・頭痛がする、頭が重い…これも更年期?原因は?


・生理痛に悩むときのセルフケア ポイントはゆるめる、ゆるめる


・疲れがとれず、すぐにだるくなる…更年期特有の疲れにどう対処する!?


・生理痛、痛いのは病気!?「病院に行くべき?」の見極め方教えます


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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