ハイリスク妊娠

ハイリスク妊娠は誰にでも起こる?経験者が伝えたい5つのこと

  • 更新日:2019/07/03

ハイリスク妊娠とは、母体、または胎児に、健康上の問題や合併症を悪化させる危険性、または死の危険性があるなど、なんらかのリスクを伴う可能性のあるハイリスクな妊娠のことです。高齢だったり、健康上の問題があったりするケースだけではなく、若くて健康な女性でもハイリスク妊娠となる可能性はあります。


今回は、自分でもまったく予期していなかったハイリスク妊娠を経験した、田中ももさんの実話を基にした著書『5年でハイリスク妊娠、中絶、離婚、再婚、出産を経験した私が今伝えたい5つのこと。』から、経験者だからこそ伝えたいことをご紹介します。


予期せぬハイリスク妊娠を経験した田中さんの半生

田中さんは25歳で結婚、27歳で初めて妊娠します。最初は双子だと診断されますが、のちに三つ子であることが発覚。受け入れ先の病院探しに苦労しますが、最終的な受け入れ先としてたどり着いた総合周産期母子医療センターでは、「普通のお母さんが授かれるような、大きくて元気な赤ちゃんが生まれる可能性は、ほぼゼロ」と障碍が残ることを告げられ、中絶の可能性についても考えるように示唆されます。


初めての出産で、双子と言われただけでもプレッシャーを感じていたのに、三つ子、しかもほぼ確実に障碍が残ることになると宣言され、気持ちが揺れた田中さんでしたが、夫からの強い希望もあり、出産を決意します。

妊婦

しかしその後、病院側から、母体にも死のリスクが高いことを説明され、結局、三つ子は諦めざるを得なくなってしまったのです。失意の田中さんはその後、妊娠中に腎炎を発症したことにより、病院通いを余儀なくされます。


しばらくのち、「もう子どもを授かるのは難しいかもしれない」という不安を抱きながら、治療を続けていたさなか、田中さんをさらなる打撃が襲うことになります。病院に通っている間に、夫が浮気していることが発覚したのです。一度は「もう関係は終わった」という言い分を信じることにしたのですが、田中さんの入院中に、自宅不倫していたことが発覚。離婚という道を選ぶことになります。


その後、腎臓病は完治し、これまでのことをすべて知り、理解してくれる男性と結婚、ふたたび妊娠し、今度は無事に出産することができたのです。


ハイリスク妊娠・中絶・出産を経験した女性が伝えたい5つのこと

女性が伝えたい

田中さんは、自身の経験から、女性たちに伝えたいことが5つある、と述べています。


1、ハイリスク妊娠は誰にでも起こりうること。自分を責めないで

ハイリスク妊娠をしてしまったとしても、それは個人のせいではない。自然界の中で、生命が生まれるまでにある確率で起こってしまうことで、個人の力では避けようもないこと。実際、私も自分を責め抜いた。でも、いくら自分を責めたところで状況が変わるものではない。(略)もしもハイリスク妊娠をしてしまっても、どうか自分を責め続けないでほしい。(P.166)


2、妊娠・出産は、できるならあとまわしにしないほうがいい

田中さんは、「妊娠・出産はパートナーが必要だし、仕事や家庭の事情で産みたくても産めないこともあるだろう」と考慮しつつ、卵子の老化や気力・体力の問題、子育てや親の年齢など、さまざまな要因から、できるならば、妊娠・出産はできるだけ早い方がいい、と述べています。


3、妊婦健診には、絶対にきちんと通ってほしい

きちんと管理していたとしても、私のようになってしまうケースもある。だけど、自分が勉強したりきちんと検診を受けたりするだけで、自分と赤ちゃんを守ることができることも事実。けっして自己判断で「妊婦健診に行かなくてもなんとかなる」なんて思わないでほしい。(P.168)


4、受け入れ態勢の問題は解決していない。私たちが行政に働きかけるべき

救急車で運ばれた妊婦さんや赤ちゃんが、受け入れる病院がなくて亡くなってしまうというニュースを聞くたびに、胸が痛くなる。(略)産科医療の問題は、妊娠・出産の当事者だったり家族であっても、その時期を過ぎるとつい忘れがち。しかし、安心して出産できる社会はみんなが望んでいるはず。だからこそ、私たちはこの問題には注意しながら行政に働きかけるべきだと思う。(P.170-171)


5、使える制度の認知・周知は大切

ただでさえ産後は情緒不安定になりがちだから見守るべきだし、特に貧困やパートナーの不在、障碍を抱えている母子は手厚く支える福祉制度の充実が望まれる。そしてその福祉が、本当に困っている人に認知され正しく利用されてほしいと思う。現在、各自治体ごとに社会福祉協議会や社会福祉法人が無償もしくは格安で産前産後のヘルパー派遣を行なっていたり、障碍を抱える世帯には「障碍福祉手当」「特別児童扶養手当」「特別児童扶養手当」などの国制度による手当がある。自身が困っていたら各自治体の社会福祉課に相談し、受けられる制度は多いに利用すべきだし、周囲に困っている人を見かけたら、その存在を教えてあげてほしい。(P.172-173)


さいごに

夫婦

今回は、ハイリスク妊娠・中絶・出産を経験した、田中ももさんの著書をご紹介しました。


妊娠・出産には、「これをすれば確実に授かれる」「〇〇をしておけば、100パーセント母子ともに健康に出産できる」という確実性はありません。予期せぬことが起こったときに、自分の責任だと思い悩むことを避けるため、また辛い局面を乗り切るために、妊娠出産にまつわる医学的根拠に基づいた知識を身につけたり、同じ経験をした方の体験談に触れたりすることは大切でしょう。



今回ご紹介した本

『5年でハイリスク妊娠、中絶、離婚、再婚、出産を経験した私が今伝えたい5つのこと。』

著者:田中もも

監修者:宋美玄

出版社:メタモル出版




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  • 今来 今 (フリーライター)

    神戸出身。編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、映画評・書評・ルポなどを連載中。

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