更年期の冷え

今までと違った冷えが起こるのが更年期! 更年期の冷えにどう対応する?

  • 更新日:2019/06/30

年齢にかかわらず、冷えは多くの女性が抱える悩みのひとつ。若いころの冷えとは、ひと味違った冷えになるのが、更年期です。入浴してもなかなか温まらず、お風呂で温めてもすぐに冷めてしまい、手足が冷たくなって眠れないという訴えをよく聞きます。上半身はのぼせて暑いのに、下半身が冷えてしまうというのも、更年期の冷えのひとつです。更年期特有の冷えの対処法をお伝えします。


更年期の冷えの多くは、自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなるのが原因

冷え性

血行が悪いと、冷えが起こります。冷えを起こす血液循環の悪さは、女性ホルモンに大きく関係しています。

更年期では、卵巣機能が低下して、エストロゲン(卵胞ホルモン)だけでなく、プロゲステロンの分泌も下がり、自律神経も乱れます。

すると血液の循環が悪くなり、冷えるのです。自律神経は、とても反応が早い神経で、体の変化にすぐに反応します。更年期の不調を冷えから自覚することが多いのもそのためです。


 更年期の世代にストレスが強いと、さらに自律神経が乱れやすいため、症状は強く出る傾向にあります。

 また、若いときから冷え症で悩んでいる人ほど、更年期の冷え症が強くなる傾向もあるといわれています。


体温を高くするプロゲステロンの分泌が減少する

プロゲステロン

本来、女性ホルモンのひとつ、プロゲステロン(黄体ホルモン)は、体温を高める働きがあります。排卵後から生理までがプロゲステロンの分泌が多い時期です。

プロゲステロンの影響で、この時期はひと月のうちで体温が高くなるときで、高温期といわれています。


プロゲステロンは、卵子と精子を受精させ、妊娠を維持するために大切なホルモンで、妊娠中はプロゲステロンが多く分泌されています。妊娠中、体温が0.5℃程度高くなるのもそのためです。


更年期には、このプロゲステロンの低下により、自律神経の失調症状が起こり、その結果、抹消の血管が必要以上に収縮し、血液の循環が悪くなるために、冷えが起こるのです。


隠れた病気をチェックして

病院受診

まず、つらい冷えで注意したいのは、貧血、心臓病、腎臓病、糖尿病、甲状腺機能低下症など、女性に多い隠れた病気があるかもしれないということです。


病院でのチェックは大切です。

検査の結果、隠れた病気がなければ、ほとんどの冷えの原因は、女性ホルモンの分泌のバランスが悪く、卵巣機能が低下しているために起こるものです。

女性ホルモンの状態は、血液検査で調べるとわかります。


対処法は女性ホルモン剤や漢方薬で

冷え対策

では、低下してしまっている卵巣機能を回復させるには、どうしたらいいのでしょう?あるいは、これ以上、低下させない手立てはあるのでしょうか? 


20代、30代前半のころのような卵巣機能に戻すことはできませんが、できるだけ卵巣を長持ちさせ、機能を維持する方法はあるといわれています。


閉経前の女性には、低用量ピルで女性ホルモンを補う方法があります。低用量ピルは、使いやすいホルモン剤です。

低用量ピルには、エストロゲン、プロゲステロンがそれぞれ少量ずつ含まれているため、足りない女性ホルモンをほんの少し補うことができます。

また、低用量ピルだけでなく、エストロゲン剤を補充するホルモン補充療法(HRT)もあります。

ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後の女性も可能です。


漢方薬にも冷え対策のものがあります。女性の冷えに処方される代表的な漢方薬は、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、温経湯、補中益気湯などです。


冷え改善には運動の効果が高い!

しいたけの中華麺

運動も大切です。ウォーキング、ヨガ、半身浴などは、血行をよくし、冷えを改善し、自律神経も整えます。


また、入浴はシャワーだけでなく湯船に浸かり温まることも意外と大事。食事はビタミンEや鉄分を多く含む食品を意識して摂ることも大切です。

ビタミンEや鉄分には不足すると血行が悪くなることが知られています。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類、うなぎ、卵黄などに多く含まれています。鉄分はレバーやほうれん草など。


更年期の症状は、ひとつの方法だけで解決しようとしないで、いろいろな対策を行いながら、よい方向へもっていくほうが効果もあり、体のためにもいいと思います。



▼バックナンバー

・老けるのは、女性ホルモンが低下するから!?


・女性ホルモンのエストロゲンの不足が不調を招いていた!?


・更年期障害ってならない人もいるの? 症状は日によって変わるって本当?


・閉経に向けて、生理はどんなふうに変わっていくの?


・顔がほてる、汗をかきやすい。最も多い悩み“ホットフラッシュ”の改善策


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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