閉経

閉経に向けて、生理はどんなふうに変わっていくの?

  • 更新日:2019/07/12

生理が終わりに近づくサインは、人によって大きく異なります。閉経は、45歳以上で1年間、生理の出血がない状態です。でも、生理の出血が完全になくなる前に、40代になると、生理期間の乱れや出血に変化が生じます。閉経に向かうときの生理の変化と生理不順についてお伝えします。


更年期の生理が乱れるわけは、卵巣にあり!

卵巣

更年期になると、生理(月経)のリズムにどのような乱れが生じるのか不安ですよね?

更年期の生理周期の乱れは、卵巣機能が衰え始めた、すべての人に必ず起こります。でも、どのように生理周期が乱れるかは、個人差があります。月経異常、月経不順の起こり方も千差万別なのです。


とはいっても、ある一定の規則性はあります。それは、卵巣から分泌される女性ホルモンの減り方です。


約200万個あった卵が、閉経時期には1000個に!

卵胞

卵巣の中にある卵胞は、産まれてから毎年減っていきます。この減り方はひとりひとり異なり、産まれる前の胎児のときにすでに決まっていると言われています。


一般的に女性は生まれるときに、原始卵胞を卵巣に約200万個蓄えていると言われています。しかし、生理が始まる思春期から生殖年齢には、約20万個から50万個となり、30代半ばでは、約1万~3万個まで減少しています。

その後も1回の生理の周期に、約1000個が減り続けると言われています。そして、閉経時期の51歳までには、1000個程度にまで減少し、卵巣機能も低下するのです。


このような卵巣機能の低下により、更年期には卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の量も減り、生理が乱れます。


脳がいくら頑張っても、卵巣から女性ホルモンは分泌されない…

女性ホルモン

女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、卵巣から分泌されますが、実は、卵巣は脳からの指令でコントロールされています。


更年期には、卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が減ると、脳はそれを感知し、焦って卵巣に「ホルモンを分泌しなさい!」と脳の視床下部⇒脳下垂体からホルモン(卵胞刺激ホルモン=FSH、黄体形成ホルモン=LH)を分泌させ、指令を出します。


けれども、更年期で卵巣機能が衰え、卵胞の老化、減少が進んでいると、脳がいくら頑張ってFSHやLHの分泌を増加させても、卵巣からの女性ホルモンは、残念ながら分泌されません。


生理の乱れが自律神経の不調にも関係します

自律神経の不調

ホルモンバランスが崩れると、脳は混乱します。

自律神経系(体温コントロールにも関係)に乱れを起こし、ほてり、発汗、冷え、めまい、不眠、うつなどなど、更年期の不調につながります。

これが更年期の症状の一部です。


最終的には、脳からのホルモンも、卵巣からのホルモンも低下し、ほとんど分泌されなくなり、生理の出血がなくなって、閉経します。

少量のエストロゲンは、閉経後も脂肪組織などから分泌されていると言われています。しかしこれは極めて少量で、壮年期の男性のエストロゲンよりも少ないのです。


閉経までの生理のパターンは?

閉経までの生理のパターン

この女性ホルモンの分泌が減少していく過程で、生理(月経)は、周期や出血量(経血量)などがさまざまに変化して、閉経へと向かいます。

まず、閉経までの生理の変化の典型例を紹介します。1~5の順に生理が変化することが多いですが、すべての女性がこの順序で進むわけではありません。


1: 正常な生理(月経)

正常な生理(月経)の条件は、

① 自然に始まる(ホルモン剤や低用量ピルなどを服用して起こる出血は、生理ではありません)。

② 生理の開始日から次の生理の開始の前の日までの日数は25~38日。長い周期と短い周期との差が6日以内です。

 たとえば、ほとんどの生理周期は35日なのに、ときに27日周期があるとすれば、正常とはいえません。

③ 生理が続く日数は3~7日です。

④ 生理は自然に終わる。


2:生理(月経)周期が短くなります

 更年期の生理の変化は、周期が短くなる(頻発月経)ことから始まることが比較的多いです。たとえば、今まで30日周期だったのが、22~23日周期などと短くなります。同時に生理の出血量(経血量)が少なくなり、生理が続く日数も短くなります。


 周期が短くなる理由は、

① 卵巣機能が低下し、卵胞の数が減ると、エストロゲンの分泌量が減るため、脳は視床下部、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)を多く分泌します。

② すると、卵巣が一時的に刺激され、卵胞の発育が短期間に進みます(卵胞期短縮)。そのため生理から排卵までの期間が短くなり、基礎体温の低温期(卵胞期)が短くなりますが、排卵後の高温期(黄体期)は、この段階では変わりません。

 そのため、周期が短くなるのです。

まだ、この時期には排卵している可能性があります。ただし、極端に短い周期(15~19日)で生理が来る(頻発月経)場合は、排卵していないことが多いです。


3:生理(月経)期間がダラダラと長く続きます

さらに卵巣機能が低下していくと、ホルモンバランスが崩れて、生理周期が長い短いにかかわらず、生理(出血)期間が8日以上続くという場合も起こってきます。過長月経と呼ばれています。

長い人になると、2週間~1か月も生理が続く人がいます。

プロゲステロンの分泌量が減り、エストロゲンだけが少量分泌され、子宮内膜ができても内膜が厚くならないうちに、すぐに剥がれてしまうので、生理は排卵のない「機能性出血」のことが多いのです。


多くの場合、排卵はありませんが、たまに排卵している場合もあり、どちらとも断定できない状態です。

「機能性出血」は、更年期世代は閉経に向かう過程でもありますが、若い世代はストレスや生活習慣によるホルモンバランスの乱れで起こることが多いです。


4:生理(月経)周期が長くなります

生理周期が39日以上と長くなり、2か月に1回程度しか出血しないときもあります(稀発月経)。卵巣機能がかなり衰えた状態です。

でも、「更年期だから…」と自己判断は禁物です。何かの病気(たとえば子宮体がんなど)による不正出血の可能性もありますので、更年期になっても婦人科検診を年1回は行いましょう。


5:閉経します

最終の生理開始日から1年経っても生理(月経)がない場合は、閉経と診断されます。

この順序には、個人差があります。2⇒3⇒2⇒4⇒5 などのように行きつ戻りつ、閉経する人もいますし、 2⇒5、4⇒5 といきなり閉経する人もいるのです。


生理の乱れは更年期だから…とあなどらない!

検査

更年期世代は、隠れた病気による不正出血と、生理的な月経の乱れの区別がつきにくい時期です。

年1回は婦人科で、子宮や卵巣を経腟超音波検査などでチェックすることをおすすめします。


出血が長引く場合は、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮体がん、子宮頸管ポリープなどの病気が原因のこともあります。また、周期が短い生理が長期間続くと、貧血になっている可能性がありますので、注意が必要です。

 

 人生100年時代。40代からの体の変化をこれから40年先、50年先まで楽しく、元気に生きるためのいいきっかけにしましょう!



▼バックナンバー

・更年期のウソ?ホント? 間違って理解してない?


・更年期は本当につらい? 更年期って何かを知れば怖くない!


・老けるのは、女性ホルモンが低下するから!?


・女性ホルモンのエストロゲンの不足が不調を招いていた!?


・更年期障害ってならない人もいるの? 症状は日によって変わるって本当?


  • 増田 美加 (女性医療ジャーナリスト)

    女性誌や女性専門サイトで、女性の医療&健康・美容現場を取材&執筆。2006年に乳がんを経験。検診の啓発、更年期への対策、予防医学の視点より、健康で美しくイキイキと生きるためのエイジングケア講演を行う。

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